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ロージイの話。〜ずっとあなたが好きでした。だけど卒業式の日にお別れですか。のスピンオフ。  作者: 雷鳥文庫


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もう、これで。

「アンディ様!」

セピアさんは目を輝かせる。


「退院おめでとうだな、セピア。それでここに住むんだろ?ロージイの護衛も兼ねてな。」

「はい!そのつもりです!」

満面の笑みのセピアさんだ。アンディ様に会えてそんなに嬉しいのか。


「でも、その宜しいので?あ、とりあえずお座り下さい。」

ラージイ兄が立ち上がって誘う。

「邪魔をするよ、ラージイ君。

セピアをここに置くことはアラン様の許可も出ているんだ。君のことも守れるだろうと。」

薄く笑う王家の影。

「それは、大変有難いのですが…セピアさんはそちらの若手の主力では。」


「そうなんだがな。まずコイツは半死半生の怪我を負った。

普通の護衛は出来るが…まあ、第一線は無理かもしれん。」


「…はい。自分でもそう思います。」

下を向くセピアさんを見ると、可哀想で胸が痛くなる。


「それにな。神獣の金貨もだが、ロージイ嬢の祈りのチカラで助かったのも、事実だ。あのトパーズのおかげでな。

…礼を言う。セピアが生きているのはアンタのおかげだ。ロージイ。」

頭を下げるアンディ様。

「いえいえいえ!頭を上げて下さい!」

かえって怖い。背中に汗が落ちる。

「私はセピアさんが…心配だっただけで。」


「…セピアはオレの大事な部下なんだ。小さい頃からな。気にかけていた。」

「アンディ様…」

セピアさんの目が潤んでいる。


「そうでごわすな、キミの無事がわかるまでのアンディ殿の顔色は土みたいでありましたぞ。」


カラカラとエドワード様が笑いとばす。


「それでな、時々アラン様の御用でセピアがこちらを開けることはあるが…構わないな?」

「その時はオイラ達が姐さんを守るでがんす!」

「おう、大丈夫でやんすよ!」


ふうっ。


アンディ様はため息をついた。

「そうだな。セピア。オマエはここで受け入れられているんだものな。

良かったな。失った家族の代わりに新しい仲間と…家族が出来て。」

おや。この人もこんなに優しく笑えるんだわ。

「アンディ様…」

「泣くなよ、いい歳してさ。ところでロージイ。」


私を見るその目は打って変わって鋭い。

緊張する。

「ハイ。」

「何となく外堀が埋まってしまったような気がするが。アンタの気持ちはどうなんだ?

コイツと真面目に添い遂げる気はあるのか?」


ああ、ここは正念場だ。

唾を飲み込む。


「あの…以前の…ルートのことで、アンディ様が私に良い印象をお持ちで無いことは…わかっております。」


「ロージイ。」

ラージイ兄とケイジ兄が私を気遣う目で見る。


「兄達が、誠実で仕事が出来るから…なんとかお目溢しを頂いたと…いうことも。」


「わかっているじゃねえか。」

フン、と鼻で笑うアンディ様。


くじけてはいけない。


「でも…この人にもう二度と会えないかと思ったら。

びっくりするくらい悲しくて、つらくて。

身体に穴が空きそうで。」

「ロージイさん。」

セピアさんが立ちあがって私の肩に手をやる。

その温かさにチカラをもらえる。


「つい…あの時キツイ言葉を言ってしまったのも。

それだけ彼が私の心に食い込んでいたからです。

どうにかして、本心を知りたかった。

お互いに心に幾つも覆いをかけて、傷つかないようにしていて。

私は!素直な人や裏表が無い人が羨ましい…そんな風に生きられたらと。」


「エドワード様みたいな人はあまりいないよ。」

ケイジ兄がポツリと言う。

「拙者が?」

稀代の善人は目をパチクリした。


「だから自分に似た所があるセピアさんが気になって。目が離せなかったんです。」

「ロージイさん…」


セピアさんが私の手を取る。

「セピア君、引っ付きすぎだ!」

ケイジ兄が声をかける。


「そうだな。セピア。それ以上のお触りはやめておけ。」

「はい、アンディ様。」

素直に手を離す。


「それでこのお調子者と結婚する気はあるんだな?」


アンディ様の視線をまっすぐ跳ね返す。

「はい。先ほどセピアさんが言った通りです。

私にもこれ以上の人はもう、現れないと思います。」


言いたいことは言える時に言わないと後悔する。

意地を張ってはいけない…


ええ、セピアさん。貴方の言う通りね。


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