表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ロージイの話。〜ずっとあなたが好きでした。だけど卒業式の日にお別れですか。のスピンオフ。  作者: 雷鳥文庫


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

61/68

それぞれの道。

誤字報告ありがとうございます。

「ネモさま、ロッキーはどこで処分されても構わないですが…確かに病院じゃダメだけど。

マージはチルの近くで…チルが最後を迎えたあの里で……どうでしょうか?」


セピアさんが口を開いた。

「セピア君…キミね。そうか、うん。」

ネモ様は腕組みをする。

「オマエ、ひとがいいな。」

アンディ様は苦笑した。


「ハンゾーから聞きました。神獣様のお力でそこは清められて。花に溢れていると。」

ポツリとヤマシロさんが言う。

「そうだ。村の真ん中には大きな桜の木があって墓標みたいになっている。

オレの家があったところには炭焼き窯の跡があって、そこにチルが眠ってる。

…アンタが望めばそこで終わったらどうだ。」


「…どうせチルの魂はそこにはいない。」

「ああ。」

「私は死んでもあの子の近くには行けない。」

「まあそうだな。」

泣きながら言葉を絞り出すマージと、優しく頷くセピアさん。


「…だけど感謝する。あの子の体が花溢れるところで眠っているのなら。」

「そうか。」

「コレがアンタとコイツの違いだよ、ロッキー。

…どうかお願いします。私をそこに連れて行ってください。」


マージは頭を下げた。顔をくしゃくしゃにして泣きながら。



「何のことだ!マージ?私から離れていくのか?

え、どうしてだ。紅の魔女様との縁がなくなったんだ。

オマエと結婚してシードラゴンでしあわせに暮らすよ!」


叫ぶロッキー王子。

その姿をヘビたちが覆っていく。ぐるぐる巻きにして。


「もうその段階じゃないんだよ。」

アンディ様がため息をつく。


「や、やめてくれっ!なあ、マージ。せめて最後までオマエと一緒に…」


「私をマージと呼ぶなっ!私はコハク国のミハルだ!

その名前は捨てる!ミハルとして、死んでいく!」


マーズいや、ミハルの言葉が私の耳を打つ。


「さア、ロージイさん。そしてラージイくん。」

ネモ様が私達を見て微笑む。

恐ろしい。


「この先の展開はキミ達に見せるのは酷だと思う。

ホテルまでお送りするよ。」


「は、はい。」


私の身体からセピアさんの手が離れた。

膝から降りる。

「大丈夫?痺れてない?足。」

「いいや?貴女は羽のように軽いですよ。ああ…もっと抱きしめていたかった…いてっ。

ブラッキーさん、痛いなあ。」


「コイツに気を使うことないぞ。心底スケベ野郎だからな!

この後はオレがみっちり世話とリハビリの指導をしてやるからな!」

「ええ…怖い。」

大男のブラッキーさんを身をよじってさけるセピアさんだ。


ラージイ兄が寄っていってセピアさんと握手をする。


「セピアさん、今度ケイジの奴とヤッキーやガリーを連れて見舞いに来るからなっ!」

「ありがとう、ラージイさん。気をつけてね。

多分、帰りはケンちゃん馬車だから。」


「…え?」

「ケンちゃんって?」

嫌な予感がして兄と顔を見合わせる。

「そうだよ、ラージイくん。特別にケンタウロスの馬車を使わせてあげようね?」

ネモ様の慈愛に満ちた微笑みがとても恐ろしい。


「ケンタウロスの馬車な。さっきレイカさん達が乗っていた奴が戻って来たんだよ。」

アンディ様もにこやかに言う。


「滅多にない機会だ。良かったなラージイくん。

お友達に自慢できるぜ。ククク。」

面白そうに笑う黒い悪魔。

「い、いえ、そんな。勿体ない。」


「さア、ヤマシロ。お連れしろ。

二人ともお疲れ様。セピアをコレから頼むぞ。

傷が治ったらそちらにやるからな。

住み込みの護衛として使ってやれ。」


「アンディ様!」

セピアさんの目が輝く。


「それは願ってもないことです。が、本当に宜しいので?」

「フン。婚約者なんだろ。ま、連絡係はしてもらうがな。」


アンディ様が後ろを向いて手を振る。


「さア、こちらへ。」

ヤマシロさんから連れられて病院を出ると、そこには


ケンタウロス!!



「うわあっ。」

「きゃああっ。」


「そんなに驚くとケンちゃんがへこみますよ。」

ヤマシロさんが苦笑した。


「ケンちゃん。この女の人はね、レイカさんが気にかけている人なんだ。

それから男の人はアンディ様の仕事仲間なんだよ。

宜しく頼むね?」


「レイカだんの?わがっだ!」


喋れるの?


「レイカだん、いいびと。オレにばらまぎぐれだ。」

虎の皮の腹巻きを手で指し示すケンタウロス。


「ま、まあ、そうなの?」

「あの人すげえな。流石アンディ様の奥方だ。」


そしてウチのホテルまであっという間だった。

「じゃ、ごれで。」


「ああ、ありがとう…」


ホテルからケイジ兄とヤッキー達が飛び出してきた。


「兄さん?ロージイ?俺夢を見てるのかい?

あれって…伝説の生き物?」


「ケンちゃんだよ、ケイジ。」

疲れきって返事をするラージイ兄。


ネエさん!すごいでやんす!UMAに引かれてお帰りたァ、流石ッス!」


「ヤッキー…ネモ様の心遣いなの。とにかく中でお話しするわ…」



そしてブランさんのお茶でやっとひと息ついたのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
とりあえず一息つけそうですね。 ミノちゃんよりは衝撃が少なかったのでは? それに、レイカさんが気にかけてるって口添えがあったし。 腹を括ったってこういうことですか。 怖い怖い微笑むネモさんたちの、あ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ