第14話 世界経済圏宣言
「多種族共存型統合経済圏の創造、バベル・エデンは小さなキメラ級小型艦から始まったのは誰も知って居るだろう、だがそこまでの道のりには多くの人間の協力があった」
新興宗教が議員を送り込むと目標を語るように、ネット掲示板でテレビの企画を清掃で潰そうとお祭りを起こすように、ビジョンを共有しデカい目標でバベル・エデンを纏める。
「当時は第七次バグズ戦役の後に起きたゲートウェイの沈黙により宇宙は分断、再接続後の世界、バラバラにつながったゲートウェイのせいでセクター間の連絡は途絶え各々で軍閥化、まさに宇宙戦国時代だった。」
かつての世界の地図を表示する。
『スターオーシャン』時代に一つ一つのセクターで任務をこなし、勢力好感度を上げて宙域航行権を手に入れ次のセクターへを繰り返して作ったマップデータ。
「アメリゴ連邦の中で過ごすだけなら夕暮れの星セクターのゲートウェイでのバグズの間引きを繰り返せばバグズ戦役を耐える事は出来るだろう。」
これから起こる災害を見て見ぬふりをするのかとばかりに、バグワームの映像を流す。
「だがバグズ戦役と呼ばれるこの時代、様々な停止したゲートウェイがバグワーム領域と繋がる事になるだろう、これを俺は防ぎ世界経済圏を設立、ゲートウェイの分断に備える。」
会議テーブルに両手をつき、身を乗り出して各職員たちを見回した。
「これが俺がやりたい事で、皆に手伝って欲しい事だ、そのためにも人間同士で戦う海賊戦争を止めたい、可能な限り失われる人的資源を減らしつつ経済と工業力を確保するやる事は変らない。」
俺のゲームの『スターオーシャン』でのプレイ方針は外交と交易への注力、これからの方針も同じだと宣言する事は行動の一貫性と言う意味で職員を安心させれるだろう。
「手始めに海賊戦争による需要増加と国家の弱体化に漬け込み人間種、獣人種、魚尾種を取り込みながら勢力を拡大、俺に従え世界の工場バベル・エデンを取り戻そう。」
初期の標的を宣言、会議室は割れんばかりの拍手と歓声に包まれた。
「「バベル・エデン、バベル・エデン」」
「それぞれ、それぞれの持ち場へ。それぞれの仕事に、案や計画があれば投函サイトに送れ、諸君の働きに期待する。」
バベル・エデン中央居住区にあるカフェ・バベロニアは、いつもと違う熱気に包まれていた。
円形天井からは人工太陽光が降り注ぎ、壁面には宇宙の実景がリアルタイム投影されている。
テーブル席では人間種と獣人種の技術者たちが熱心に議論を交わしていた。
「あの演説は凄かったよな!」
若手人間種エンジニアがホログラムパッドを操作しながら声を上げる。
「ああバベルで世界を手に入れる。正直震えたぜ」
そう言って獣人種のパイロットが液体が球状になったドリンクを飲み干す。
「でもよ、コロンブス共和国を乗っ取るって、現実的なのかな?」
「実行案がすでに投稿されていた、俺も読んでみたがよくわからんかったが出来そう、そう感じた奴もある。」
「あれ俺達にも読めるのか!!いや俺も投稿してみようかな?」
ニネベイサがカフェ・オートマットから浮遊するティーカップを受け取る。
「保守派は議会を武器としているが崩すべきはそこじゃ無い、金にならないと分かれば本国に撤退する連中でしか無い。」
優雅に星を眺めて紅茶を嗜む。
「バベル・エデン」
トレーニングジム、参謀の一人、人翼の女性が白老参謀総長のミットにスパーリングを繰り返す。
「戦艦で惑星を占領するよりも、惑星の経済を掌握する方が百倍効率的だわ」
彼女は脳波でデータを高速表示させながら続ける。
「ホッホッホ、単純な生産力と利益率ならばバベルに勝てる勢力は居ない。土地を確保して生産コロニーを動かせば市場の独占は容易い。」
「バグワームとの戦争で技術の発展は効率化に特化された、言いたい事はわかる、今の課題は我々が政治力が無い新参者って事でしょ。」




