表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/51

第13話 覇権への道

視線が自分に集まる。その表情、場の空気から何かを求められているのを感じた。


『バベル・エデン』と言う名を捨てるのかと、その名を背負ったまま他の勢力に組みするのを、英雄オーナーはどう思っているのかと、


会議室の沈黙に耐えられず思わず俺は立ち上がる。自分が途方もない人物と見られてる事実に驚愕する。


うすうす感じていた事だ、予想出来ていた事だ。あー嫌だ嫌だ俺に期待しないでくれ、大した人間じゃないんだ、期待されてない状態で予防線を張った上で物事に挑戦したいんだ、失敗したくない、失望されたくない。調子に乗るな調子に乗るな。


だが俺の不安を表に出しては行けない、自分の実績と言う名の肩書カリスマで纏まってる組織だ。


「バベル・エデンから俺が居なくなればどうなる?」


バベル・エデンにはそれこそトップを張れる人物が多数存在している。


ゲーム風に言えば能力アビリティ、『カリスマ』や『「魅力的な人物』『○○の権威』に『人心掌握』、アレキサンダー大王の後継者争いの様に派閥が出来てバベル・エデンが空中分解する未来しか見えない


技術と未来を知る優秀な人材が世界に散らばれば、宇宙戦国時代の到来が速く来そうだ。


「求められているのはゲームをしていた頃のオーナーだ、なら同じ事をすれば良い。」


戦略ゲームでもそうだが序盤拡大して中盤で内政、終盤で勝利を決める物だ、今は序盤、現状に甘んじれば尻窄みするだけ。


自分で自分を説得する。


俺は方針を示すだけ、バベル・エデンの優秀と言う設定が反映された人間の力の方向を外に向けるのだ、任せれば良い、人に任せれば良いと自分に言い聞かせて心を落ち着かせた。


正直言えば自分と同じ人類種のコロンブス共和国に入ってしまえば楽だと思う。


もっと言えばバベル・エデンを手放してしまった方が楽だ、規模じたいが国が無視できないレベルだし、全ての他種族を抱える組織と言うのはそれだけで火種になる。


厄介だ、それこそ一部資源を資産に変え、コロンブス共和国の首都で一富豪として株なりマンション経営なり、不労所得で生活するというのが、自分の幸福度だけを考えた時の最適解だろう。


「バグワームがな……」


小声で愚痴をこぼす。バベル・エデンを手放したところで俺に幸せは来ない、手放した後のバベル・エデンが成功しようと失敗しようと未練が湧いて来るのは目に見えている。


「諸君、改めて言うがこのバベル・エデンは俺が所有している。」


その発言は責任か、あるいは誇示か、単純な立場に対する保身かも知れないし、場の空気に流されただけかも知れない。


けれどもオーナーは席をたち窓際まで歩き宇宙の深遠な闇を見つめていた。


その背中には何か重大な決意が宿っているようだった。


「なあ、バベル時代のコロンブスを覚えているか?」


オーナーはゆっくりと振り返り、大きく息を吐いた。声に力がこもる。


「俺は少なくとも今の現状に甘んじるつもりは無い、その上でコロンブス共和国が欲しい。」


かつてのゲーム『ゲートウェイウォー』でのコロンブス共和国は便利なショップ枠、何処の勢力にも出店していた多国籍企業。


「我々の時代のコロンブス共和国は兎に角デカい、何処にでも店舗を出していた企業だった。」


経済勝利の為には最後に戦う必要のある勢力でもあった。


「我々がバグワームの撃退に成功した以上、歴史通りにコロンブス共和国が首都を失うことは無いだろう!」


オーナーは右手を握りしめ、強調するように一度テーブルを向いた。


「今の国家としてのコロンブス共和国の話を聞けば未来の多国籍企業が発生する未来を俺は予想出来ない。」


会議室は勝手に静まりかえっていた。オーナーは窓際から離れて、ゆっくりと参加者の間を歩き始めた。その足取りには迷いがなかった。


「そしてその原因はバベル・エデンだ、しかし俺はバベル時代のコロンブスが欲しい。」


オーナーは声を落とし、しかしその言葉は確固たる決意に満ちていた。


「ならばどうする、我々はどの様に行動すれば良い?」


ゆっくりと会議室の中央に出たオーナーは、全員が見上げる場所に立った。


ホログラム表示が彼の姿を青く照らす。


「参加か?」 左手を上げる。

「連携か?」右手を上げる。

「孤立か?」 両手を広げる。


「断じて否、我等は何をすべきは何か?」


多かれ少なかれバベル・エデンの人間には歴史を変えたという罪悪がある。


それ故に大きな行動を起こさないように気を付けているし、理性の部分でもその能力で現在バベルを運営出来るからと思考は安定を考える。


「俺は歴史の流れを知るという優位を失いたく無い!」


俺はそこをついた、利益があれば、あるいはバベル・エデンの方針に沿っていると言う大義名分があれば、この力を外に向ける事が出来る。


「世界に歴史をなぞらせ未来を予測する、バベル・エデンが何処かに従い続ける等あり得ないし、全てはいずれ手に入れるべき物だコロンブス共和国を手に入れるぞ。」


利益追求と歴史調整と言う鶴の一声、コロンブス共和国への参加はそれそのもの手に入れるための計画であると言う理由付け。


「諸君にはそれを手伝って欲しい、今までの様に俺のやりたい事について来てくれ。」


パラパラと拍手の音が聞こえるがまだ困惑が大きいのか反応は良くない。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ