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第九話「写真機の秘密」

 アーリャは森を出ようとしていた。


 視界には白く開けたこの巨大な森の出口——


「うわぁあ〜」


 アーリャの視界に映ったのは、


 崖から見える広大な大海原と、澄み切った青空と、巨大な白い塔だった——


 立て札が飾ってあった


 “ウォルシュワ灯台”——


「そっかあ、もしかしてお母さんと茶店のお姉さんが言ってたとっておき、ってこの灯台の事かなあ。」


 観光客はいなく、アーリャは灯台を思う存分一人で楽しめる状況だ——


 ウォルシュワ灯台は、とてつもなく全長が長い灯台ではあったが、ウォルシュワ岬の茶店の前や、森の中では、森の上に漂う瘴気によって塔は視認できない状態にあったようだ——


「よおお〜し、登る登る〜っ。」


 アーリャはウォルシュワ灯台の螺旋状になった階段を一目散に登っていった。


 そして、頂上——


「おおお〜!」


 そこに広がっていた光景は、


 アーリャがこれから旅するであろう、立ち寄るであろう様々な街や、広大な地形が遥か遠くまで見渡せた——


「これは絶景だよ。お母さんとお姉さん言ってた意味が分かった!綺麗〜」


「あ、そだ!」


アーリャはカバンから電子カメラを取り出した——


「これ撮るとどうなるのかな?」


カシャリ!!


「撮れた!うんうん、出来ヨシ!」


「で、早速使ってみよう!」


アーリャは森の中での子猿との戦いを思い出しながら、さっきと同じように、撮れたての写真を天にかざした——


《アーリャ。》


 電子カメラから父の声が聞こえた——


「お父さん!やっと話せた。さっき話しかけたけれど、反応なかったもんね!」


《すまんな、アーリャ、こちらも色々と取り込み中でな……》


 アーリャは少しぶすっとしながら——


「まあ、許すけどさー」


《まず、このカメラの説明だ。いいね、アーリャ。》


「うん。」


《もう分かっていると思うがね、このカメラは普通のカメラじゃない》


「とっくに分かってるよそんなこと」


《まあ、きけ。このカメラはさっきチラッと話したが、このカメラで撮った写真を天にかざすと、その写真の個性によって、アーリャ自身、またはアーリャの近くに様々な現象が起こるんだ。》


《例えば、最初に使った青紫色の鳥の写真。あれを使うことで、アーリャは空を飛べた。こういうタイプの能力を付加する写真は“変身”タイプと言われている。そして、二回目に使った写真、大木の写真。あれは“召喚”系と言われる写真だ。主に動物が多いが、さっきの大木にはお父さんも驚いたよ。植物が動いて戦ってくれるなんてね。アーリャは写真の才能があるのかもな。そして、本題——》


《今撮ったウォルシュワ灯台からの絶景、これを使ったらどうなるかだ。》


「どうなるの?」


《今まで行ったことのある場所にいつでも瞬間移動出来るようになる》

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