表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/25

第八話「もう一枚の写真」

 アーリャはバッサバッサと背に生えた青紫色の羽をまたたかせ、子猿を追う——


 子猿はまさか!というぎくりとした様子で動揺を隠せない。


 そして子猿とアーリャとの距離はとうとう至近距離にまで達した——


 そこで子猿はうっそうとした林の中に飛び込んでアーリャをそのまま撒こうとした——その時!


「そうはさせない!」


 アーリャは先程とおなじく、一枚の写真を天にかざした。


 すると——


 子猿の目の前に樹齢何年にも及ぶ大木が立ち塞がった。


「キィ、キィ〜」


 その上、その大木は意志を持ち、枝を動かし子猿をがんじがらめにした——


 アーリャは笑顔で、


「やったね!」


 そう、この森で子猿に財布をスラれる直前に撮った、樹齢何年の大木の写真を天にかざしたことで、アーリャの姿形には変化はなかったが、(後にわかることだが)“召喚系”といわれる写真の効能で子猿を止めることに成功したのだ。


 そして、召喚された大木が、捕らえた子猿からアーリャの財布を拾い上げ、その枝の手でアーリャにそれを返した。


「ありがとう。大木さん。一か八か大木さんの写真つかってみたけれど、想像以上に役に立ったな。」


「お父さん、ありがと、助かったよ。」


《……》


——しかし、電子カメラからは反応がない——


 アーリャは思った。

(いつでも話せるってわけでもなさそうだ)


 しかし、少し興奮気味に、


「でも、すごい。すごい。空飛んだり、意志を持つ大木を召喚したり、あちし、一種の魔法使いじゃない!?エヘヘっ。」


 そして財布を取り戻したアーリャの目の前にこの森林の出口が見えてきた——


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ