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第二十三話「勧誘・熟考」

「一緒に旅に出ないか、ってあちしのことぉ〜?」


 アーリャは驚愕の表情で言った。


「そうだ。アーリャ、そのお前の妖術には値千金の価値がある。きっと被写体によってはさっき見せた、空を飛ぶ以上のパフォーマンスが期待出来るだろう。ぜひ、わが一向の戦力に欲しい。ダメか?」


「だ、だめってことはないけど……。そ、そだ、もし、もしだよ?あちしが一緒に着いて行くとしたら、一つ、はっきりさせたいことがあるの。」


「ふむ、なんだ?」


「さっき聞いた、カニカニ村での正当防衛での戦い、についてなんだけど……。しょっちゅうがしょっちゅう、人……、カニでもいいい、殺したりしなきゃいけない旅なら、あちし、やだな……」


 勇者シグルドは深く考えるような仕草を見せて——


「正直に言おう。私たちは、基本、人には危害はくわえないが、人に襲いかかってくるものに関しては容赦なく、討伐する。そうしなきゃ、結局殺られるのはこっちだからな。例えば、魔物。奴らは理性が無いからな。そして——」


 アーリャはごくりと唾を飲んだ——


「私たちの最終目的は、暗黒魔王の討伐だ。そのために旅をしている。魔王はここからとてつもなく離れた場所にある、魔王城にいる。倒すためには我々にはまだ経験値が足りない、と自覚している。今の戦力では、大く見積もっても、相打ちがいいところだろう。そこで——」


「そこで?」


「アーリャ。まだ、微小な戦力にしかならないかもしれない、そして、こんな危険な旅に巻き込んでしまうのがとても心苦しくもあるのだが、お前にかけてみよう、と思ってな——」


 アーリャはじっくり考えた——


「危険な旅、か……。ちょっと待って、ゆ、勇者さまたちはいつここの旅館をたたれるのですか?」


「明日には出発する」


「じゃあ、明日の朝に行くか行かないか伝えるので、今晩は考えさせてください」


 シグルドは冷静な顔で——


「かまわんよ」


 そして、アーリャは戦士バーハーに向かって、


「一人で考えたいので、元の安い部屋へ戻りますね。ご親切、ありがとうございました」


 バーハーは、


「そうか。ま、ゆっくり考えな。俺としては一緒に行けたら嬉しいがな」


 アーリャは自室に戻った——


「どうしよう。あちしのこの旅の目的はあくまで一流の写真家になるための、感性を磨くため。魔王の討伐?物騒だなあ。でも、この大役もまた、感性を磨くのに役立つことなのかな、どうしよ?」


 すると——


《アーリャ、アーリャ。聞こえるか?》


 電子カメラから父からの応答があった——

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