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第十五話「アーリャの軌道修正」

「んん〜」


 アーリャはイカ料理の店を出た後、大きく伸びをした。


「お腹いっぱいになったけど、もうこの村でやることなくなっちゃったな。」


 すると、カニ族の長老?と思われる、この村で見かけるカニたちの中でも一際歳をとっているカニ族が話しかけてきた。


「お嬢ちゃん、イカ料理の店でお造りたのんだんだってカニ?うわさがわしの耳にも入ってきたわいカニ。わしは見ての通り、この村の最長老、カニ族のワッシャと言うカニ。」


 アーリャは若干動揺して——


「わ、ワッシャさん、よ、よろしくお願いします。あちしの名前はアーリャと言います。この村には、美味しいカ、……、いえ、イカ料理を食べにきました。美味しかったです!あのイカ料理!」


 長老は笑顔になって——


「良かった良かったカニ。まあ、何もない村じゃが、物騒じゃない時にはどうかまた足を運んでほしいカニ。」


 ——アーリャは『物騒』のことばの意味を察して——


「この村に何かあった時はすぐに助けに行くので、その時は私を……、」


 言いかけた時——


《アーリャ、安請け合いするな。お前にはまだこの村の敵を相手できるだけの能力は無い—》


「お、お父さん?」


《とにかく、今は謝って、訂正します、と言え。それだけだ。じゃ》


 アーリャは心の中で——


(勝手だなあ、また消えて)


「た、助けに行くと口走ってしまいましたが、あちし、まだ六歳だし。やっぱ無理です。ごめんなさい。」


 長老は——


「なあに、どいつもこいつも口だけは達者なのさカニ。いや、お嬢ちゃんなら無理はないが…、まあ、気になさんなカニ。お嬢ちゃんは悪くないカニ。」


 アーリャは一瞬イラッとしたが、平静を取り戻して——


「また来た時には、みんなの役に立てる自分でいたい、と思ってます!これは嘘じゃない!!」


 長老はニコッとわらい——


「その時を楽しみにしとるぞカニ。じゃあなカニ、お嬢ちゃん、いや、アーリャ嬢。」


(嬢、だって〜〜、なんかおとな扱いされたみたいで嬉しいな。へへっ)


「いいお腹の足しになりました。また来ます。じゃあね、長老!いや、ワッシャ長老!!」


 名前を返したのは、アーリャなりの意趣返しである。


 そして、村を出て、少ししてから、やっと青紫色の鳥の写真を使い、羽を生やし、移動を始めるアーリャなのであった——

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