第十三話「イカ料理屋」
アーリャは動揺しながら、
「いやあ〜、お腹空いてて。なんか悪いこと言いました?あちし……」
村カニ1は、
「お前、わしらを食いにきた人間族の中でも野蛮な部類の一味じゃないのかカニ?」
「いえっ!!全ッ然ッ違います!単にお腹が減ってただけです!」
(本当はカニ料理を人間が振る舞ってくれる、人間が住む村だと期待してたけど……これは内緒だな)
カニはいきなりまたしても温和になり、
「そうかカニ。ならいいカニ。食べるものが欲しいなら、ほら。この村のカニ族はイカしか食べないカニ。イカ料理屋に行くといいカニ。いわばこの村の大衆食堂カニ。」
アーリャはホッとして、
「ありがとうございます。イカ料理屋ですね。行ってみます。では〜」
そして歩くこと二分——
「ここか。イカ食堂“いかづくし”かあ〜。とにかくお腹減ったから入ろっと!」
アーリャはそのイカ食堂に入った。建物のデザインがダイオウイカのそれであった。
「いらっしゃーーいカニ!」
この店のマスターらしきカニが言った——
(この村のカニたちみんな語尾にカニつけるんだな……)
アーリャはカウンターに座り、お品書きを見てみた。
(どれにしようかなあ〜?お、イカのマヨネーズ仕立てのお造り、これ良さそ!)
「すみません!イカのマヨネーズ仕立てのお造り、ひとつ!」
マスターは目を瞬かせて——
「お嬢ちゃん、まだ小学生かそこらだろカニ?随分渋いもの頼むカニね!いいカニね、待ってろカニ、うめぇの作ってやるカニから!!」
「へへぇ〜、それ程でも〜」
アーリャは少し得意気になっていた。




