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第十話「決断」

「ええ〜っ」


 アーリャは仰天した。


《そう、この、ウォルシュワ灯台からの世界の絶景を一望する景色を撮った写真を使えば、一度立ち寄った場所、どこでも行けるんだ。》


「すご〜い。」


《つまり、この時点で冒険を諦めて、元いたギャラン・テカ・シグマ共和国に帰ることも出来るんだよ。なんならちょくちょく帰って、お前の母、ソーニャに会いに行くことだってできる。とにかく、このウォルシュワ岬に寄る意味は非常に大きかったんだ。》


「え?てことは旅の道案内を書いてくれたお母さんはもうすでにこのふしぎなカメラのことを知っていた、ってこと?」


 ——少し沈黙がつづいて——


《いや、知らせてはいないが、ウォルシュワ灯台は、初旅をするには絶対に立ち寄っておかないといけないほどの絶景がおがめるとは言ってあった……》


「ああ、それでか」


 アーリャは妙に納得した。


《で、どうする?旅をつづけるか?辞めるか?それともちょくちょく帰りながら旅をつづけるか?》


 アーリャは口を真一文字にむすんで——


「いや、あちし、旅をつづける!お母さんのところには、どうしても必要な時以外帰らない!」


 電子カメラからクスクスと笑い声が聞こえた。


《そうか、なんとなくそう言うとは思っていたが、我ながらたくましい子どもを持った、と思うよ》


 アーリャは突然思いつたように、


「あ、そだ!お父さん、今、どこにいるの?場所教えてよ。電子カメラで話すのもいいけど、直接会いたいな。」


《…………》


 ペドス(父親)はしばらく沈黙した——


 そして、とても言いにくいとでも言うように——


《それは、言えない。ちょっと事情があってな。ま、近いうちに機会があれば話すよ。アーリャはとにかく、“美しい”写真をいっぱい撮りためることだ。さっき言ったようにその写真たちはいつでも力になってくれる。口幅ったいようだが、全てにおいて、まず最初にやっておくべき事が、ウォルシュワ岬の灯台で写真を撮ることだったのさ。それをクリアしたのだから、お父さんはしばらく出る幕はない。だから、しばらく無線連絡もできないが、たまにこっちから一方的に、アーリャが困ったときなどに連絡をよこすから、その時はよろしくな。じゃあ》


「え!?待って!まってよォ」


 無線は切れた——


「本当に勝手なんだから!まあ、いいや、灯台も観光したし、この青紫色の鳥の写真を使って森の上を飛んで帰ろ」


 アーリャは鳥の写真を天にかざした——

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