手紙
拝啓 ——ティ
本当はダメなんだろうなぁ、君は怒るんだろうなーとちょっとびくびくしながら、気づけば筆を取っていました。
これから書くのは、記録でも思い出でもない、———。
今だからこそ、———書いちゃおうと思えることがあります。
万が一ラティ以外の誰かが読むことがあったのなら、恥ずかしいから誰にも言わないでね。
——長い、そして、とても短く幸せで、不幸で悲しくて、——人—が——終わります。
苦しかった。
辛かった。
痛かった。
ただ、——だった。
人としての権利すらも奪われて、道具のように生きてきた人生。
ただ、人のために。世界のために。
私達を——、—て、——、——用してきた人類のために。
今更恨みはないけど、虚しかった。
誰に悟られず、誰にも気づかれず、誰にも褒められず、誰にも称えられず、それでも私達は世界のために戦っている。
どんなに戦っても誰の記憶にも記録にも残らない、——。
悲しい。
淋しい。
皆に認められたい。
皆に認められる勇者が憎い。
でもいいの、私達は私達だけが知っていて、支え合って、褒め合って、助け合って生きていければ、それでいいから。
それが——だから。
そう思えるようになったのは、最後の一年、——に出会えたからだよ。
最初はうっとおしいくらい——に満ちてて、空気読めないなーって思ってたけど、その——と私達に向けてくれる不器用な愛が初めて嬉しかった。
まるでみんな家族みたいに……先頭切手戦って、誰よりも傷ついて、私達を守ってくれたね。
ありがとう。あと、——だったよ。
全てを失った私達が、食卓を囲んで、家族みたいに……——でした。
貴方のおかげで、誰よりも——な人生でした。そう思える——だった。
知っての通りまどろっこしいのは嫌いなので、いきなり言っちゃうね……って全然いきなりじゃないね。悪い癖だ。また君に怒られちゃうね。
じゃあ今度こそ———貴方が——です。——ています。
貴方がこっそり夜に私だけに作ってくれた——……また飲みたいな。
——喰らいの——ル