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スイソーガー~小坂県立福浦西高等学校吹奏楽部~  作者: 闇技苔薄
一年生編

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第68話 何か日常系4コマみたいなのやってみたくなった

※第67話のキャラ紹介読んでからのほうが分かりやすいと思います。

■練習開始前。


「アイリ~!今日の1限目の数学のノート見せてー!」


「…トモ、あんたまた1限目サボったでしょ」


「うはははは、朝は苦手なんだよ!」


「元気いっぱい言うなよ。1年目からそんなんじゃダメだよ」


「お説教は聞きたくないよー。ベーっ!で、ノート見せてよー。いいじゃんクラスメートなんだしぃ!」


「明日はちゃんと朝からくるって言うなら」


「お母さんかよー。お母さんキャラはユリだけで十分だよー」


「なんかイライラしてきた。見せない」


「見せろよー」


「見せない!」


「なんだよ偉そうに!アイリのケチ!」


「ハァ!?」


「あんだよやんのかこらー」


「おう上等だよ」


「おうおう」


「おらおら」


「2人ともいい加減にしなさい!」


友杉さんと中森さんの間にユリが立った。


「部活始まる前だから好きに過ごしていいけど、しょうもない喧嘩はやめなさい」


「ユリー、だってトモコがぁ~」


「トモコって言うな!」


「わかってるよ、煽りまくったトモが悪い。ユウカちゃん、トモのお説教よろしく」


「りょ。ほらトモいくよ。まったくアンタはいつもいつも」


「やだーーーーー!」


中森さんは悲壮な表情で勝又さんにずるずる引きずられながら部室を出て行った。


「はぁ、自分がちゃんと朝起きればいいだけなのに」


「トモ、部活は真面目に出席してるのにねぇ」


「自分の欲望に忠実すぎなんだよ。吹奏楽は好きだからちゃんと出るけど朝は眠くて…いや、朝練あったら来ないのかな?」


「嫌な子じゃないんだけどねー、自由すぎるっていうかなんていうか…」


「うん」


友杉さんとユリは揃ってため息をついた。



「今日はいい天気だねぇ、コヨミちゃん」


「そうだねヤヨちゃん、涼しくってちょうどいい感じ~」


「ほぅ~~~~~」


「ふぅ~~~~~」


「ちょっと眠くなってきちゃった」


「そだね~」


「ほぅ~~~~~」


「ふぅ~~~~~」



■合奏練習中。


「おい佐々木!お前影だけじゃなくて音まで薄いぞ!1stなんだからもっと前に出てこい!2ndのユリに埋もれてるぞ!それでも1stか!」


中森さんがびしっと指差しして俺に話しかけてきた。


「むーん…すまん」


「やる気が無いんなら私と代われ!私なんかホルンの2ndだぞ?地味だぞ地味!もっと目立ちたいんだぞ!わかるかこの気持ち?トランペット吹きにはわかんないかー、いつも目立ってるもんなー。いやー、ナチュラルな上から目線キツイっすー!」


「悪かったよ。もっと前に出るようにする」


「…ユリのこのむちむちした太ももに埋もれたい気持ちは私もわかるが、音まで埋もれてはいかんぞ」


「は、はあああああ?」


一瞬条件反射的に俺はユリの脚を見てしまい、その後ユリと目が合う。

ゴミでも見るような表情で「変態」と言われた。


「それはともかく…そうだね、ちょっと音が埋もれちゃってるかもね。ユリの音に乗っかる感じのほうがいいかな」


友杉さんが話を戻した。


「そうそう!太ももに埋もれたいなんて受け身な願望じゃなくて、ユリを押し倒して乗っかるくらいの勢いだ!わかったか佐々木!」


「はあああああ?」


一瞬条件反射的に俺はユリの体を見てしまい、その後ユリと目が合う。

ゴミ屋敷でも見るような表情で「変態」と言われた。

俺何か悪いことしたぁ?



「今日も合奏だねぇ、コヨミちゃん」


「そうだねヤヨちゃん、やっぱ曲あると楽しいよね~」


「ほぅ~~~~~」


「ふぅ~~~~~」


「今日も頑張ろうね」


「そだね~」


「ほぅ~~~~~」


「ふぅ~~~~~」



■練習終了後。


「アオイー!さっきのとこちょっと2人でやってみよーぜー!」


中森さんが菊地さんのところに大声でドタドタやってきた。


「いいよー!よいしょっと」


「毎回思うけどテューバってこんなに大きかったっけ?テューバが大きいのか、アオイが小さいのか…」


「小さくないもん!」


「普通テューバって抱え込むもんじゃん。なんかアオイの場合はテューバにのしかかられてるっていうか…」


「のしかかられてないもん!」


「チューバに手足が生えてるみたいに見えるっていうか…テューバマン!いや、テューバウーマンか?うーん、やっぱテューバマンのほうが語呂がいいな!よっ!テューバマン!やっべw新キャラ生まれたw」


「テューバマンじゃないもん!」


「まぁちっちゃいからって悲観するなよ。女の子でちっちゃいのはかわいいから大丈夫!」


「悲観してないもん!てかちっちゃくないもん!」


「けけけけけ」


「もう、練習しないんなら帰るよ」


「わーったわーった、練習しよう」


「よいしょっと」


菊地さんがテューバを抱えると…テューバから手と足が生えた。


「やっぱり手足生えてるじゃんwwwwwよっ!テューバマン!」


「テューバマンじゃないもん!」


「説明しよう!菊地葵はテューバを構えると、正義の味方テューバマンに変身するのだ!www」


「変身しないもん!」


「アオイちっちぇえwwwww」


「ちっちゃくないもん!!!!!」


中森さんと菊地さんはいつもこんな感じだけど、別に仲は悪くないのです、多分。

あ、あとこの後中森さんがみんなに「テューバマン」を広めたために、この日を境に楽器を構えた菊地さんは時々みんなに「テューバマン」と呼ばれるようになりました。



「今日も疲れたねぇ、コヨミちゃん」


「そうだねヤヨちゃん、夕焼けがきれいだね~」


「ほぅ~~~~~」


「ふぅ~~~~~」


「ちょっとお腹減ってきちゃった」


「そだね~」


「ほぅ~~~~~」


「ふぅ~~~~~」


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