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<第三十一話>それぞれの考え

「姫子さん、すみません。


 瑠璃さんの後にお風呂に入ったのが、僕かもしれないです。




 とは言っても、私も瑠璃さんのお風呂から出て来た姿を見た訳では無いので、これも姫子さんがなぜそう思ったのか疑問に思うかもしれませんが・・・。






 昨夜父との打ち合わせが終わった後は、気持ちを落ち着かせようと部屋でゆっくりと過ごしていました。




 その後、仕事についてあれこれ考えていたはずでしたが、いつの間にかそのまま椅子で寝てしまっていたんです。






 そんな不自然な姿勢で眠っていたので、多分あまり時間は経っていないと思うのですが、ガクっと頭がなった拍子に目を覚ましました。




 その時に体がべた付いていて、まだお風呂に入っていなかった事に気が付いたので、急いでそのままお風呂場まで行きました。






 でもその時は、入り口の鍵が掛かっていて、誰かが入っていたんですよ。




 ですからまた部屋に一旦戻って、今度はベッドで少し横になっていました。どの位経ったのでしょうか、ふっと目が覚めたんです。




 時計を見たらもう1時近かったです。






 そしてもう一度お風呂場に行ってみたら、今度は扉も開いていて誰も入っていなかったので、そのまま入りました。






 瑠璃さんの話を聞いていて、あの時は彼女が入っていたのかなと思ったんです。




 そして、その次が自分だったのかなと考えました。」


 悠馬が姫子に話した。








 「そうですか。


  悠馬さん、色々思い出して下さってありがとうございます。






  ちなみに瑠璃さん、お風呂に入った時に鍵は掛けていましたか?」


  姫子が悠馬の話を聞いて、そのまま瑠璃にたずねた。






 「ええ、もちろん掛けていました。


  だって私が入っている時に、他の人が間違えて入ってきたりしたら嫌ですからね。」


 瑠璃が当然という顔をしながら答えた。






 「でもどうだろう。





 その悠馬が言っている風呂に入っていた人がいたという話は、もしかしたら俺の事かもしれないな。


 俺も風呂に入った時、入り口の鍵をかけていたよ。」



 ここで颯斗が話に入ってきた。




 「そうだったんですね。颯斗さん、ありがとうございます。



  因みにそのお風呂に入ったのは、何時頃だったのか覚えていますか?」


  姫子がたずねた。






 「いや、時間までは分からないな。


  俺は、悠馬のようにいちいち時計を見たりしないからね。






  昨日は長距離運転もしたし、掃除もした。


  普段やらないような作業が多かったから、よけいな気疲れも加わっていたみたいで、夕食後は俺も部屋で転寝(うたたね)をしていたんだ。




 そして兄さんのように気が付いたタイミングで下に降りて行って、お風呂に入ってから寝たんだよ。」



 颯斗が答えた。






「そうですか。


 颯斗さんも、夕食後に部屋で転寝をしていたんですか。






 それでは、颯斗さんは夕食後はずっと部屋にいて、家族のどなたにも会わなかったのでしょうか?」


 姫子がたずねた。






「ああ、誰にも会ってないよ。」


 颯斗が素っ気なく答えた。




「そうですか、分かりました。





 ところで、巌さんと悠馬さんが揉めていたのを聞いたというお話でしたが、それに気が付いた時は、まだ起きていたという事なのでしょうか?





 それとも、転寝をしていたのに起きてしまったような、声の大きさだったのでしょうか?」


 姫子が颯斗に確認をした。








「・・・ああ。





 それはまだ寝る前の話ですよ。






 部屋に戻ってすぐに転寝をした訳じゃないんだよ。




 部屋に戻ってからしばらくは起きていたんだよ。その時に声が聞こえて来て、父さんが怒っているなって思ったんだ。






 でももう眠くなり始めていたから、そんな状況でわざわざ見に行くのも面倒だったし、さっきも話したように結局父さんの部屋には行きませんでしたけれどね。






 そしてさっき言った通り、そのまま寝入ってしまったんだ。」




 颯斗が思い出すように少し考えて、それから答えた。





「そうでしたか。






 どうもありがとうございました。」


 姫子が颯斗を見ながら、ゆっくりと答えた。










「純情さん、ちょっといいですか?」


 部屋の入り口近くで立って話を聞いていた大野が、ここで姫子の近くまで来ると小声で声を掛けた。



「はい。」


 姫子が大野の方を向き、すぐに答えた。






「みなさんも、すみません。



 話が少々長くなってきていますので、一旦ここで休憩時間を取ることにしましょう。」




 唐突にではあったが、大野がそう言い出し、家族に休憩を促した。


 そして、それはもう決定事項であったようで、リビングの扉が外にいた警察官によって開かれた。






 大野は、そのまま手招きをして姫子を呼び、それに頷いた姫子と共に一緒にリビングから出て行った。



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