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<第十三話>歓談中

 「そういえば、瑠璃も庭に出ていなかったか?」


  颯斗が瑠璃に話しかけた。




 「ええ、出たわよ。


  私もお庭に咲いていた花を見て回っていたのよ。」


  瑠璃が答えた。






 「へえー、瑠璃もお嬢になって花が好きになったのか。」


  颯斗が茶化すように答えた。




 「兄さん、またそんな風に言って。


  お嬢様になったから好きになった訳じゃないわよ。



  私は、昔からお花が好きだったじゃない。


  お母さんが再婚する前は、ずっと近所のお花屋さんでアルバイトもしていたでしょ。もうアルバイトを二人がしていた頃の事は忘れちゃったの?




  お花に関する知識だって、色々な事をお店で教えてもらっていたんだからね。



  ほらっ、覚えていない?去年の夏にお母さんと3人で別荘に来た時の事。


  丁度このお庭に咲いていたカモミールを使って、ハーブティーを作ってあげたじゃない。」


  颯斗の言い方に気分を少し害していた瑠璃が、少しツンとした顔をしながら答えた。




 「そうだったな。そう言えば去年別荘で、お前が入れてくれた葉っぱ味のお茶を飲んだな。」


  颯斗が笑いながら答えた。




 「カモミールティーは、カモミールのお花から作るお茶だよ。



  ミントとか他のハーブを加えて味を深くしたの。葉っぱ味のお茶なんて言わないでよ。



  それにカモミールティーは、気持ちが落ち着くという効果もある、すごいお茶なんだからね。


  お兄ちゃんに()()()()()()()()()()だわって思って入れてあげたのよ。」



 颯斗がからかい過ぎたようで、瑠璃がすっかりへそを曲げてしまった。





 「ごめんごめん、冗談だよ、瑠璃。


  少し言い過ぎたよ、ごめん。



  うん、そうだった。そう言えばちゃんと美味(うま)かったよ。」


  瑠璃の怒った様子を見て、颯斗が慌ててとりなすように言った。






 「私の事をお庭にいたなんて言っていたけれど、お兄ちゃんも実はお庭に出ていたの?


 私は、お花の方ばっかり見ていたし、お庭が広いから気が付かなかったけれど。」


 瑠璃が機嫌を直すようにしながら、聞いた。




 「いや、庭には出ていないよ。自分の部屋の窓から外に出ていた瑠璃の姿を見つけたんだ。


  俺は、ずっと部屋でのんびりしてたよ。せっかくの休暇だしね。」


  颯斗が答えた。







 「巌さんの仕事を手伝っていた悠斗さんと、庭で花を美しいと眺めて散策をしていた薫さん。




  それに比べて、部屋でのんびり過ごしていた颯斗にお花を食べられないかと眺める瑠璃か。




  やっぱり、ちょっとした話題でさえも育ちが違うって感じが自然に出てくるわよね。」


  美和が笑いながら、冗談っぽく言った。




 「いやいや、全然そんな事はないよ。私はそんな風には思わなかったよ。


  美和、よくないよ。例え冗談でも自分の子供をそんな風に言ってはいけないよ。




  そもそも颯斗君は、仕事をがんばってくれているんだよ。


 

  再婚後にうちの会社に転職してきてもらったばかりだが、随分仕事を覚えてきていると報告も受けているからね。





  それに花については、むしろ瑠璃さんの方が薫より専門家じゃないか。


  お花だって単なる咲いている美しさだけじゃなく、それ以外の魅力も知ってもらう方が嬉しいだろうしね。






 そうだ。薫もただ眺めているだけじゃなく、少し瑠璃さんから花の効用も学んでみたらどうかな。」



 巌が美和の話に答えながら、薫にも話かけた。






 「そうですね。


  じゃあ今度ハーブティーの作り方を私にも教えて下さいね。」


  薫が素直に答えた。




 「いいよ。じゃあ今度一緒に作ってみよう。」


  瑠璃も自分の花の知識の事を良く言われて、嬉しそうに答えていた。




  美和は、その娘達二人の様子を嬉しそうに見つめて、頷いていた。



  そして話題が少しでも盛り上がればいいと思って話した美和の話を見事につないでくれた巌の話術に『さすが巌さん。』と感心もしていた。


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