第1章 三つ首の竜
出張の移動時間を利用して新規投稿してみました!
早起きしてちょっと眠いので誤字脱字があったらすみません。
黄泉大坂から現れたものとは?
良かったらご一読くださいm(_ _)m
BaGyaBaBaGiGiGiGGGGGGGiiiiiiiiii!?
あまりの巨軀に直径100メートルはある黄泉大坂がバリバリと大きな音をあげてひしゃげ火花のような閃光を放っていた。
「WhataFuxxisDa!?」
黄泉大坂を引き裂かんばかりには押し広げながら現出しようとする巨大な何かにナムチが驚いて思わず声を上げた。
その後方から凄まじい勢いでマーガレットが投げつけたモルゲンシュテルンの星球が、巨大な腕の隙間から黄泉大坂の暗い穴に吸い込まれていった。
GaGaBooooNNNNN!?
「総員、ありったけの武器で黄泉大坂を攻撃! あの化け物をこちらに出すな!!!」
マーガレットは怒号を響かせながら、自分の神衣に装備されたありったけの武装で黄泉大坂に攻撃を仕掛けた。
「アマツマーラ!!!!」
ナムチとミナカタもマーガレットの命令に従って、黄泉大坂に向けて攻撃を仕掛けた。
「サキミタマ! クシミタマ!!!」
「イノラムコトノカナワヌハナシ」
ZZZZZuuuuuGGGGGaaaaaannnnnn!!!!
黄泉大坂は大爆発を起こし周囲には土煙が舞い上がった。
それでもマーガレットたちは手を止めることなく、ありったけの装備で黄泉大坂に向けて攻撃を放ち続けた。
DDDDoooooGGGGGaaaaaBBBBooooNNNNNN!!!!
黄泉大坂周辺の地形が変わるほどのイズモ師団による一斉攻撃が、マーガレットの攻撃停止命令が出るまで数分間に渡って加えられた。
「OK! 総員、攻撃停止だ!」
「はぁはぁ……あれが何だかわかんねえけど、これだけの攻撃を受ければちょっとはダメージあるだろう……」
遠距離でサキミタマとクシミタマの連撃を繰り出していたナムチが、息を切らして肩を揺らしながら誰に言うともなく呟いた。
攻撃を加えたイズモ師団の面々が固唾を飲んで見守る中、攻撃によって舞い上がった粉塵が風を受けて徐々に流されていった。
ナムチの希望的な観測を裏切るように、薄れゆく土煙の向こうには巨大な体躯を持つ何者かのシルエットがゆっくりと姿を現した。
象を何倍にも大きくしたような巨大な体躯に、ゴリラのように太い腕、その手には虎のように鋭い爪、そして麒麟のようにのびた長い3本の首の先には、鰐のように鋭い牙を持つ巨大な頭があった。
黄泉大坂から地上に現れたのは、神衣の倍以上の途轍もなく巨大な体躯を持つヨモツの化け物だった。
「あれは三つ首の竜? ハクト、反応は?」
「反応は……レッド! 間違いなくヨモツだね」
三つ首の竜の化け物はこれまでにイズモ師団の神衣による総攻撃をその身に真正面から受けていたはずだったが、その体躯には傷を受けた跡すら見当たらなかった。
GGGGrrrrrrr!!!
巨大な三つ首の龍は首をゆらゆらと揺らしながら周囲を睥睨すると、攻撃してきた神衣を見つけたのか威嚇するように雄叫びを上げると、血走った鋭い眼で地上に立つ神衣を憎々しげに睨みつけ、鋭い牙を生やした口を大きく開いて威嚇してきた。
BBBBrrrrrr!?
「くっ!? なんて威圧感だ……Fuxx!?」
真正面で三つ首竜の威嚇を受けたナムチが思わず身構えて声を上げた。
「ナムチ、気をつけて! 攻撃がくるよ!」
「わかってるよ!」
ハクトが三つ首竜からの攻撃に警戒することようにナムチに告げた。
他の神衣主たちも三つ首からの攻撃に備えて臨戦体制をとった。
しかし三つ首竜から攻撃が来ることはなかった。
BaBaGyaGyaGiGiGiGGGGGGGiiiiiiiiii!?
よく見てみると三つ首竜の下半身の一部がまだ黄泉大坂から完全に出て来てはいなかった。
あまりに大き過ぎる巨大な体躯に対して黄泉大坂が小さすぎたのだった。
三つ首竜は身を捩らせて黄泉大坂から這い出ようとしたが、その度に穴の淵がバリバリと火花が弾けるような音を立ててひしゃげていた。
「あ、あれは遠呂智であるか?」
最後方でヤマト中央に入るための通路を守護していたタケ・ミカヅチが、黄泉大坂から現れた巨大な竜に似た化け物を見て呟いた。
「しかしあれは三つ首? 八岐遠呂智ではないの……か?」
黄泉大坂から出てこようと悶えて暴れる三つ首竜の姿を見て、タケ・ミカヅチが誰に言うでもなく再び呟くように声を上げた。
「おい、タケ・ミカヅチ! WhataFuxxiYoSay? お前、あの化け物を知っているのか?」
その呟きを通信で聞いたマーガレットが、黄泉大坂から出てきた化け物を知っているかのようなことを言い出したタケ・ミカヅチを問いただした。
「マーガレット師団長であるか……うぅむ……あれと同じであるかはわからんが、あれに良く似たヨモツを知っているのである」
タケ・ミカヅチはマーガレットからの通信に応えて話し始めた。
三つ首の竜はまた黄泉大坂から出ようともがき続けており、暫くはそこから動けずにいた。
ミナカタとナムチ、空中からオオゲツヒも参加して三つ首の竜に攻撃を仕掛けているが、神光による攻撃であるにも関わらず、与えたダメージはすぐに再生してしまい効果はほとんどないようだった。
「似てる似てないか知らねーけど、とりあえずタケ・ミカヅチ、あんたの知ってることを教えろよ!」
神衣の神光による攻撃でもダメージを与えられ無い三つ首の竜が、黄泉大坂から抜け出てしまえば、イズモエリアはあっという間に蹂躙されてしまう。
マーガレットは少しでも情報を得るためにタケ・ミカヅチに知っていることを教えるように要求した。
マーガレットの剣幕に押されてタケ・ミカヅチはかつて戦った八岐遠呂智について話し始めた。
「あれはかつてスサの王とツクヨミ様、ニニギ様たちが黄泉に封じた異境の竜・八岐遠呂智に似ているのである」
「はぁ~!? スサノオ? 八岐遠呂智? なんだそりゃ!? 御伽噺だろ?」
突然、ヤマトで子どもたちに聞かせる御伽噺として知られる化け物・八岐遠呂智の話を始めたタケ・ミカヅチに、マーガレットが呆れた様子で声を上げた。
「いや八岐遠呂智は八つ首の竜、三つ首のあれは八岐遠呂智ではないのである」
「Humh!? お前が八岐遠呂智だって言い出したんだろ?」
「いや八岐遠呂智と似ていると言ったのである」
「その御伽噺の化け物と似てるからなんなんだよ!? Fuxxinクソ爺!!!」
「なっクソ爺だと!?」
切迫した状況であるにも関わらず、ウダウダと話し続けるタケ・ミカヅチに苛立ったマーガレットがついにブチ切れた。
「こちとら部下とイズモ市民の命がかかってんだ! 八岐遠呂智だか御伽噺だか知らないが、ボケ爺の与太話を聞いたり暇はないんだよ!」
「なっ八岐遠呂智はそもそも御伽噺などでは……いや、なんでもないのである。 あれが八岐遠呂智と同種のヨモツであるとすれば非常に厄介なのである」
「厄介だぁ? WhataFuxxYoMean? そりゃどういう……」
マーガレットがタケ・ミカヅチに更に詳しく話を聞こうとしたそのとき……
「遠呂智だかなんだか知らねえけど、要はヨモツなんだろ? なら神光でぶっ倒したら良いだろ?」
ミナカタ、オオゲツヒと共に三つ首の竜に攻撃を加えていたナムチが、遠距離攻撃をやめて得意の接近戦を挑もうと突っ込んで行った。
「Uhhh~!? 勝手なことをするな、ナムチ!!! 戻ってこい! DamnFuxxinBoy!」
無謀な突撃を仕掛けようとしているナムチをみたマーガレットは、すぐに下がるように命じたが、ナムチは命令を無視して、三つ首の竜の真ん中の頭に飛びかかると渾身の一撃を加えた。
「おりゃああぁぁぁ! サキミタマ!!!」
GuaSyaShaShaaaaaaahhhhhhhh!!!!
黄泉大坂から抜け出すことに夢中になっていた三つ首の竜は、攻撃を仕掛けてきたナムチを気にかける様子もなく、渾身の神光を帯びた拳の直撃をまとも喰らって頭を吹き飛ばされた。
竜の頭は右眼から上が弾け飛び、衝撃でそのまま倒れ込んだ。
残りの2つの頭も真ん中の頭に引っ張られるようにしてぐらりと後ろに倒れた。
「PeaceaCake! なんだこいつ、図体がバカでかいだけで、大した事ないじゃん! FuxxinJerkoff!」
ナムチは三つ首の竜を仕留めた意気揚々と叫びながら、土煙を上げて倒れた竜の前に立った。
Gururrrrrrruuuuuu
風で土煙が流れていくと、そこにはナムチの攻撃で右眼から上を失った真ん中の竜が、ゆっくりと首をもたげて唸り声を上げながら、必殺技を決めて得意気に話すナムチを真正面から睨みつけていた。
神光を込めたサキミタマの直撃をくらい、破壊されていた頭部は、煤化することもなくすでに再生が始まっており、今にもナムチに喰らいつこうと大口を空けて迫っていた。
「ナムチ、まだ終わってない! 正面からきてる」
ハクトが迫ってくる竜の顎への警告を告げるとともに、神衣を寸前で回避させた。
「WhataFuxx!? ハクト、神光を込めたサキミタマが直撃したんだぞ!? どうして」
「そんなこと知らないわよ! 八咫鏡はしっかり起動してたし、最高の一撃だったはずよ」
「じゃあ、なんで再生する? あの三つ首の竜はヨモツじゃないのか?」
「そんな……反応は……間違いなくヨモツよ!」
「I‘llbeDamn! じゃあ、なんで神光でぶん殴られて再生できるんだ!?」
「FuxxitAll! そんなことあたしに聞かれても知らないわよ!?」
ナムチが神光を込めた渾身のサキミタマを、急所である頭部に直撃させたにも関わらず、三つ首の竜は全くダメージを受けたようすも見せず、あっという間に再生したことに、操縦席のナムチとハクトは混乱していた。
「神光の攻撃が効かない……だと?」
それは戦闘を見ていたマーガレットたちも同じだった。
「WhataHell!? あの化け物には神光が効かないのか?」
「……BeCool、ペギー! 神光の効かないヨモツなんて……」
「GetFuxxinReal! 実際にあのヨモツには効いてないじゃないか!!!」
命令を無視したナムチの勝手な行動に激しい怒りを露わにしていたマーガレットだったが、強烈な神光の一撃を受けてもなお、傷一つなく再生した三つ首の竜を目の当たりして、怒りも忘れて驚愕の声を上げた。
御霊マヒトツネは三岐遠呂智が黄泉大坂から姿を現したときに、すぐさま生体情報を収集、解析していた。
そのデータからも相手がヨモツであることは間違いなかった。
それだけにヨモツにとって急所への一撃は致命傷となる神光の、それもパワーだけは人並み以上にあるナムチの渾身の一撃を受けてもなお、三つ首の竜がほぼ無傷で再生したことが信じられないでいた。
ほんの数日前にナムチの強烈な一撃を喰らって、その威力を身をもって知っているだけに、2人の驚きは大きかった。
「そんな……馬鹿な……神光が効かないヨモツなんて……」
「やはり……やはりそうなのである! あれは遠呂智なのである!!!」
タケミナカタが再び声を上げた。
「FuxxinGranPa!? さっきから遠呂智、遠呂智って何なんだ!?」
「なっ!? 吾はそんな……」
「いいから早く説明しろ! FuxxinShakeit!」
マーガレットのあまりの剣幕にタケ・ミカヅチは珍しく恐れおののいた。
「ううむ……あの再生力、あれは間違いなく八岐遠呂智と同種の化け物なのである」
「Huh? だからその御伽噺の八岐遠呂智がなんなんだよ?」
「八岐遠呂智は遠呂智なのである」
「DontgivaSxit! だから遠呂智がなんなんだよ?」
「遠呂智は遠呂智である!」
「Uhhh! この脳筋バカが!!! だからそれを説明しろと……」
「……CalmDown、ペギー! カシマ姉様、タケ・ミカヅチ様に代わって説明をお願いします」
マヒトツネは進まないタケ・ミカヅチの説明に爆発寸前のマーガレットを黙らせると、タケ・ミカヅチの御霊・カシマに説明を求めた。
「マヒトツネさん、承知いたしました。タケ・ミカヅチ様も宜しいですね?」
「ううむ、あとはカシマに任せたのである」
「FuxxinGranPa! 説明が面倒くさくなって逃げやがったな」
「……ペギー、聞こえてますよ」
「Oops! わざとだよ」
嫌味たらしくマーガレットが呟いたが、カシマは聞こえないふりをして話を続けた。
「あれはかつて存在したプラナリアやウミウシといった生物の特徴がヨモツの持つ再生能力と合わさって生まれた遠呂智と呼ばれるヨモツの竜です。かつての戦闘では8つの頭を持つまでになり、ニニギ様やタケ・ミカヅチ様ですら倒すことができず、ツクヨミ様が眠らせてスサ様と共に黄泉に封印されました」
「だからそれは御伽噺だろ? FuxxinFairyTales!」
「御伽噺はその話を元にして吟遊詩人たちが伝えたお話です」
「カシマ様、少しお待ち下さい!」
マーガレットとカシマのやり取りを聞いていたイヴァが通信に割って入った。
マーガレットとカシマとの通信はマヒトツネによって共通回線で、この場にいる全ての神衣主が聞けるようになっていた。
「カシマ様、御伽噺では八岐遠呂智は退治されます。 お話が違うのではありませんか?」
そう言うとイヴァは自分が知っている御伽噺の八岐遠呂智の物語を説明した。
かつて八岐遠呂智という化け物に支配されていた村では、たびたび美しい娘を生贄を差し出して難を逃れていた。
旅の途中で村に立ち寄ったスサノオは村人から話を聞いて、八岐遠呂智を倒すことにして、まず竜を酔い潰すほど強い神酒ヤシオリを用意した。
生贄の少女に扮したスサノオは巧みに八岐遠呂智に神酒を呑むように勧め、八岐遠呂智は8つの首で神酒・ヤシオリ呑み干して酔いつぶれて眠ってしまった。
スサノオは眠ってしまった八岐遠呂智の首が再生しないように、斬り落とした首の傷口を炎で焼き、8本全てを斬り落として退治したという。
「御伽噺では八岐遠呂智を再生しないように首を斬り落とされて退治されています。 黄泉に封印したという話も、そもそもヨモツであることも伝えられておりません」
「イヴァ様、その御伽噺は人々を安心させるために敢えて広められた物語です」
「それはどういう……」
「当時、ヨモツについて死んだモノが黄泉がえるということ以外は、ほとんど知られていませんでした。そんなときに人を襲う巨大な竜のような化け物ヨモツが現れ、倒すこともできないと人々に知られれば、どれほどの混乱が起きたでしょう?」
カシマは悲しげにイヴァに尋ねた。
「その上……」
「その上、この戦いで我々はニニギ様の大叔父にあたる・スサ様と大叔母のツクヨミ様を失うことになったのである」
話を続けようとしたカシマを遮って、タケ・ミカヅチが話に割り込んだ。
「当時は神衣はまだなく、神光も発見されたばかりで、強き力をもった方々がその身を犠牲にして八岐遠呂智を封印をするしかなかった……のである」
タケ・ミカヅチは通信越しでもわかるほど沈痛な声音で口惜しそうに言った。
「ミカヅチのおっさん、でもあれは頭3つしかないぞ?」
そんな重く暗い空気を無視して、無邪気な声を上げたのはナムチだった。
「あれが八岐遠呂智って化け物ヨモツと同じとは限らないんじゃない?」
「むうぅ……確かに首は3つだが、あの再生能力は八岐遠呂智に引けは取らないのである」
「では再生できないようにすれば良いのでは?」
これまで黙って通信を聞いていたスクナが声を上げた。
読んでいただき、ありがとうございます。
良かったらブックマークや評価、いいねもお待ちしております。
執筆の励みになります。
過去最大の強敵ヨモツ・遠呂智を倒すには?
次の更新も不定期ですが、気長にお待ちいただければとと思います……m(_ _)m




