表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/63

第1章 戦線恐々

久しぶりに新規投稿です。

ヨモツワニを撃退したイズモ師団の前には、正に雲霞の如く集まったヨモツの大群だった。

終わりのみえない長時間の戦闘が続く中、たった4機の神衣カムイでナムチたちはイズモの民を守ることはできるのか?

次はGW中に更新(できればイズモ防衛戦完結まで)したいと思っています!良かったら読んでください。

「オラオラ悪羅悪羅オラァァン!? ハクト、このヨモツ大行進はいつまで続くんだ?」


 一瞬も留まることなく黄泉大坂ヨモツオオサカから溢れ出てくるヨモツを片っ端から次々と浄化しながら、元気いっぱいだったナムチも流石に少し疲れた様子で呟いた。


「はぁ~!? そんなのあたしが知るわけないでしょ!」


 ハクトは苛ついた様子を隠そうともせずぶっきらぼうに答えた。

 すでに戦闘は3時間以上続いていたが、黄泉大坂から出てくるヨモツの勢いは変わらず、神衣主カムイムチたちはもちろん御霊ミタマたちにも疲労の色が現れていた。

 ハクトもこれまでヨモツたちが出現してきた状況などから、ヨモツたちの底を見極めようとしていたが、まるで掴めず、そのことが余計に苛立たせていた。


「Fuxxinヨモツが!?」


 ヤマト建国時の戦い以降、これほど長時間の戦闘は神衣主カムイムチたちはもちろん、御霊ミタマたちもほとんど経験がなかった。

 3時間程度の戦闘ですらマーガレットでさえも初めての経験であり、他の神衣主カムイムチたちに至ってはペース配分などわかるはずもなく、すでに体力、精神力の限界が近づいていた。


「うおりゃ~! サキミタマ! クシミタマ!」

「ナムチ、ちょっとペースを落として。 それじゃ体力が持たないわよ!」

「FuxxOff! 俺をまだまだ疲れちゃいないって! ComeonModaFuxxer!!!」


 特に経験の浅いナムチは、神光テラの扱いに目覚めたばかりということもあって、目の前にいるヨモツたちを全力の神光テラの攻撃で片っ端から浄化していた。

 このままのペースで戦っていては体力がもたないと感じたハクトが少し落ち着くように伝えていたが、いきり立って戦い続けるナムチは聞く耳を持たず、本人が思っている以上に体力を失っていた。

ハクトもナムチがギリギリであることはわかっていたが、休む間もなく攻めてくるヨモツの大群を前に休ませることが出来ずにいた。


「ねぇ、ナムチ、もう少し効率よく攻撃できないの?」

「えぇっ!? そんなこと急に言われても……とりあえずぶん殴ってブッ飛ばしたらよくね?」

「くっ……この……FuxxinDixxHead!」

「えぇーっ! なんかひどくない?」


 どうする?このままじゃナムチはガス欠で動けなくなる、切羽詰まっていたハクトを助けるように通信が入ってきた。


「ハハハ! ハクトは相変わらずナムチに厳しいな」

「……ハクト、いくらなんでも我主マイマスターにそれは……」


 ナムチとハクトのやりとりを聞いていたマーガレットと御霊ミタママヒトツネが、通信ツッコミを入れてきたのだった。


「GetLost,Bitxxis! アンタらには関係ないでしょう? これがあたしたちのやり方よ」


 疲れと焦りから、苛立ったハクトはいつも以上にきつい態度でマーガレットとマヒトツネに黙れと伝えた。

 ハクトの態度に一瞬、鼻白んだマーガレットだったが、そのことは無視して口撃の矛先をナムチに変えた。


「Hmph! なんだいナムチ、もう弱音を吐いているのか? FuxxinPeewee!」

「はぁ? ShutFuxxup! マーガレット、俺は別に弱音なんか吐いてねぇ~っつの!」

「まだ生意気な口を叩く元気はあるようだね。 その割に息があがってるんじゃないのか?」

「んなこたぁ〜ねぇよ! 息上がってんのはあんたの方だろ、OldBitxx!」

「相変わらず生意気だね、SxitBoy!」

「そんな無駄口叩いてるヒマがあんなら、指示でも出せよ!」


 売り言葉に買い言葉、指示を出せと言われたマーガレットはニヤリを笑った。


「確かに! じゃあ、師団長様からの命令だ、よく聞きな!」

「あぁ? なんだよ急に」

「ナムチ、お前は一旦、下がれ!」

「はぁ!? WhataFuxxYotalkinbout!? 今、下がれるわけない……」

「ハクト、聞こえたな? 師団長命令だ、ナムチは後退だ。 神衣カムイのコントロールをハクトに移譲、一旦、イズモ市街地まで後退しろ!」

「ちょっ……何を勝手に……」

「……YesMom」

「ハクト、待ててって!?」


 マーガレットの後退命令を拒否しようとしたナムチだったが、すでに師団長命令でコントロールを奪われて神衣カムイを動かすことが出来ずに、なす術なくイズモ市街地まで後退していった。

 前線から突出していたナムチの神衣カムイが後退すると、あっという間にその穴をヨモツが埋め尽くしていった。


「ハクト! ハクト! くそっ! FuxxYo、マーガレット!!!」

「ふんっ!」


 マーガレットは疲労で限界がきていたナムチが撤退していくのを見届けると、前線に残っているイズモ師団の神衣主カムイムチたちに発破をかけて叱咤した。


「他の奴らも聞いているんだろう?」

「へいへぇ〜い、コトシロ、いつものようにぃ〜聞いてますよぉ〜」

「ミナカタ、いるよ」

「お前たち、子どもはお家に帰る時間だけど、ここからは大人の楽しい時間だよ!」

「いやぁ〜僕はまだぁ〜子どもでいたいんですけどねぇ〜」

「コトシロ、DTのおっさんが何を言ってんの?」

「ミナカタ、だからぁ〜身体も心もぉ〜子どもだっつ〜の」


マーガレットはかなり疲労しているにも関わらず、いつもと変わらぬ無駄口を叩くコトシロとミナカタに安心したように笑顔を見せたが、通信ではそんなことはおくびにも出さず命令を告げた。


「さぁあたしらの本意気をヨモツどもに見せてやるよ! アイツらを殲滅する! LetzgoFuxxit!!!」

「「YesMom!!!」」


 一斉に返事をしたコトシロとミナカタの二人は、気合を入れ直して雲霞の如く迫りくるヨモツたちへのこれまで以上の激しさで攻撃を続けた。


 一方で強制的に後退させられたナムチは、市街地に残された瓦礫に身を潜めながら苛立って悪態をついていた。


「くそっ! くそっ! FuxxinBullSxxit!!!」


 そんなナムチにハクトが声をかけた。


「ナムチ! ナムチ!」

「なんだよ、ハクト! 俺はまだやれたのに、お前もなんで……」

「ナムチ! いつまでごちゃごちゃ言ってるの?」

「くっ! ハクト、でも……」

「でももヘチマもないでしょう!? そんなヒマがあるなら、体力を回復させなさい!」

「Whata……」

「ナムチ、ShutaFuxxup!!! 戦いはまだまだこれからだよ!」

「……わかったよ」


ナムチは渋々ながらハクトに従うと、目を瞑って体力を回復させるため仮眠を取り始めた。


 マーガレット、コトシロ、ミナカタが一気呵成に応戦を続けたお陰で、約1時間後、ジリジリと押されていた前線をなんとか市街地の外周まで押し戻すことに成功した。

 その様子を確認したマーガレットは一息吐くと、ミナカタに新たな指示を伝えた。


「ミナカタ、お前も一旦、下がれ」

「マーガレット師団長、いえ、私はまだいけます」


 ミナカタは後退するほどの疲労はないとマーガレットの命令に異を唱えた。

 通常の軍隊では戦闘中に上官の命令に反論することは許されないが、自主独立性を重視されている神衣主カムイムチは、納得できない指示には従わない傾向があり、またそれを許されていた。

 しかし、戦闘の終わりが見えない状況の中では、ここでナムチ、ミナカタという爆破力を持った戦力を温存して長期戦に備えることが重要だとマーガレットは考えていた。


「ミナカタ、これは命令だよ! お前も一旦、下がれ!」

「……YesMom。 ヤサカ」

「はい、神衣カムイヤサカ、後退します」


 ミナカタは周囲のヨモツを可能な限り掃討しながら押し返して安全を確保したイズモ市街地まで後退していった。

 上司の命令であっても、ほとんど人の言うことを聞かないミナカタが、比較的あっさりと指示にしたがったことを御霊ミタマヤサカは不思議に感じていた。


「ミナカタ様?」

「実際、ナムチほどじゃないにしても、アタシも少し疲れてきてたよ」

「大丈夫ですか?」

「大丈夫だけど、やっぱりシン刀売トメだけだと思ったより力を使うね」

「すみません。 刀美トミを失わなければ……」

刀美トミを失ったのは、あたしが未熟だったからだよ。 一旦、下がって回復を図るよ」

「YesMom」


 前線にはマーガレットとコトシロの2体の神衣カムイが残されていた。


「じゃあ、僕も下がって……」

「コトシロ、あんたはアタシと一緒に戦線を維持するよ」


 コトシロが自分も一度、後方に下がろうとしたが、それを遮るようにマーガレットが一緒に戦線維持するように伝えた。


「えぇ~俺も休みたいんですけどぉ~」

「ShutaFuxxUp! コトシロ、お前が体力を温存しながら戦ってんのはわかってんだよ」

「えぇ~そんなことないですよぉ~適材適所ってやつですぅ〜」


 ヨモツを1匹でも市民が避難しているシェルターまで通してしまえば、なんの防衛手段ももたない人たちは全滅し兼ねない。

 コトシロは機動力の高さを生かして、ナムチやミナカタのように突出して前線には出て行かず、後方で飛び回って、漏れ出てくるヨモツを各個に浄化していた。

 マーガレットもそのことは理解していたが、敢えて口にすることはなかった。


「コトシロ、ここからはアンタの本意気ってやつを見せてもらうよ!」

「だからぁ〜?別にぃ~体力を温存していたわけじゃないんですけどねぇ~」

「コトシロ様、まだ言っているんですか?」


 呆れ気味にタマクシがコトシロに言った。


「いやぁ~だけどさぁ~僕だけサボってたみたいじゃなぁ~い」

「言葉の綾では? コトシロ様は効率よく戦われていたのでしょう?」

「そうなんだよねぇ~そこんトコロをマーガレット師団長はぁ~わかってないんだよぉ~」

「YoFuxxinLittelman! 細かいことを愚痴愚痴と……だからお前は器が小さいって言われるんだよ!」


 御霊ミタマのタマクシと話しているだけのつもりだったコトシロに、突然、マーガレット師団長から叱責がとんできた。


「あっあらぁ~マーガレット師団長、聞こえてましたぁ~?」

「……タマクシ、全てオープン回線で通信してる」

「えぇっ! あわわ」


 通信回線を切断し忘れていたタマクシにマヒトツネが注意をしたが、今更手遅れだった。

 マーガレットは神衣カムイのコントロールを御霊ミタママヒトツネに任せて、コトシロとタマクシの会話に通信で割って入った。

 マヒトツネは接近してくるヨモツに対して、効率的にモルゲンシュテルンを振り回してぶつけて殲滅していた。


「さて、効率よくヨモツを殺すことがお得意なコトシロさんには、きっとヨモツを殲滅する素晴らしいアイデアがあると思うのだけど」

「えぇ~マーガレット師団長、そんな都合の良いアイデアは……」

「あるよねぇ~コトシロちゃん。 あたしは部下のことをとてもよく理解している師団長だからね!」


 マーガレットが語気を強めてコトシロに迫った。

 通信を聞いていたコトシロには満面の笑みを浮かべているマーガレットの姿が見えてもいないのに目の前にいるように感じていた。


「いやぁ~まぁ〜あると言えばあるんですけどねぇ~そのぉ〜正直あんまり乗り気じゃ~ないって言うかぁ~、ちょっとぉ~面倒くさいって言うかぁ〜……」

「いいからさっさと言いな! YoModaFuxxer!」

「ヒイィッ……YesMom!」


 コトシロはタマクシに神衣カムイのコントロールを預けると、ヨモツを一掃する作戦の説明を始めた。


「これまでの研究でぇ~オオヒルメの塔から照射される神光テラの中でも動けるヨモツにはぁ~人間の生きた細胞が含まれていてぇ~神光テラへの耐性が強くなっているってこたぁ〜ご存知ですよねぇ〜」

「あぁ~最新の研究成果ってやつだな」

「それですぅ〜でもぉ~根本的なところでぇ~ヨモツが神光テラに浄化されるのはこの世の摂理なのでぇ~強い神光テラ神衣カムイでヨモツの体内にバチィ〜っと直接照射すればぁ~浄化できる訳ですぅ~」

「じゃなきゃ、神衣カムイでも倒せないからな! それがどうだっていうんだ?」


 話しの長いコトシロにマーガレットがやや苛立ち始めていた。

 しかしコトシロはそれに気がついていながら、話しのペースを変えるつもりはないようだった。


「マーガレット師団長のぉ~モルゲンシュテルンの棘々(トゲトゲ)もぉ~神光テラを込めてぇ~ヨモツの急所に喰い込ませることでぇ~浄化している訳じゃないですかぁ~」

「あぁ、そうだな」

「それなんですよぉ〜」

「あぁん!? だからそれがなんなんだ? コトシロ、話が長いんだよ!!!結論をさっさと言いやがれ! StupidModaFuxxer!!!」


 すでにわかりきった説明をウダウダと続けるコトシロに、マーガレットがついにキレ始めた。

 このままヨモツの攻撃が続けば、予備戦力にほとんど期待できない以上、近いうちに戦線が崩壊するのは目に見えていた。

 今、必要なのはお盆をひっくり返すような現状を覆す一手だった。


「ヒイィ〜!!! だからぁ~ヨモツを一緒くたにしてぇ~一気にぃ~神光テラでぶった斬って浄化したらぁ~いいじゃないですかぁ~」

「WhataFuxx?」


 前代未聞のヨモツ掃討作戦がいよいよ始まる。

読んでいただき、ありがとうございます。

良かったらブックマークや評価、いいねもお待ちしております。

執筆の励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ