表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/63

第1章 覚醒

 全身から炎のように神光テラを噴き出しながら、力が抜けたようにダラリとして動かなかったナムチの神衣カムイに変化が起きた。


 両腕を大きく開いて、雄叫びを上げるかのように頭を天に向けて身震いした。

 すると全身から噴き上がって神光テラが一瞬輝いた後、両手の光だけを残して消え去った。


「ナムチ!! 気がついたのか?」


 スクナはマーガレットの攻撃を掻い潜って、ナムチの側までやってきて声をかけた。


「有線通信を繋ぐかしら」

「頼む、カガミノ」


 神衣カムイ同士を有線で接続して通信を繋いだ。


「……繋がったかしら」

「ナムチ、聞こえ……」


「誰がおばちゃんじゃゴルァ!?」

「えぇっ!? 何のことだよ?」


 通信機からはハクトの怒声が轟き、言い返すナムチの声が聞こえてきた。


「えっ? ちょっとナムチもハクトも何をやってるの!?」


 スクナが思わず聞き返すと、ハクトの怒りの矛先はそちらにも向いてきた。


「あぁん!? スクナ、お前も人をババァ扱いしてんのかぁ?」

「いや、してないし! ナムチ、何がどうなってんの?」

「知らねえよ! 気がついたらいきなりハクトがキレてて、何がなんだか」

「ハハハハクト様……?」


 キレて怒り狂うハクトに、カガミノもどう声をかけていいか分からず怯えていた。


「どいつもこいつもアタシを年寄り扱いしやがって!? FuckinBullShit!!」


 キレて叫ぶハクトを、ナムチはどうすることも出来ずに見ていた。

 スクナは何としなければとナムチの神衣カムイを見ると、その後ろに大きな影が迫っていた。


「ナムチ、下がれ!」


 スクナはナムチの神衣カムイを押すと、後ろに迫っていたマーガレットの前に出た。


「ようやくお目覚めして楽しそうなところなんだけど、アタシをなめてんのか?」


 マーガレットは振りかぶった鉄鎚メイスをスクナに打ち下ろした。


DonkGAaaaahhhh!!!


「ぐぅあぁぁーっ!?」

「きゃあぁぁーっ!!


 スクナの神衣カムイは、マーガレットの鉄鎚メイスに弾き飛ばされ地面に転がった。


「スクナ!!!」


 スクナに押されてマーガレットの攻撃を避けたナムチが振り返って見ると、右肩と装甲が剥がれ落ちた神衣カムイが倒れていた。


「スクナ! 大丈夫か!?」

「……クッ……なんとか……ね」

「スクナ!」


 操縦席で痛みに顔を歪めながら、スクナは神衣カムイを立ち上がらせた。


「右上腕、及び右肩の装甲が破損したかしら」

「カガミノは大丈夫?」

「んっ……ちょっと痛いかしら」

「……ごめん」


 乗り込むことで感覚を共有し、場合によっては痛覚接続を切断することもできる神衣主カムイムチとことなり、神衣カムイそのものである御霊ミタマは、傷付けば痛みをそのまま感じることになる。


「これ以上はやらせない」

「んっ」

「まずは刺突剣レイピアを取り戻そう」


 スクナは気合を入れ直してマーガレットに対峙した。


「ナムチ、いくよ!」

「スクナ、ごめん」

「……ごめんなさい」


 さすがにスクナが攻撃を受けて、キレていたハクトも我に返ったようだった。


「Thanksスクナ。 ここからは俺も一緒に戦うよ」

「そうしてもらえると助かるかしら」


 スクナに変わってカガミノが答えた。

 平気な顔をしていたが、カガミノと同じように、スクナも痛みに耐えていることに気がついていた。


「カガミノ……?」

「ふんっ! さっさと終わらせるかしら!」


 スクナは操縦席で痛みに耐えながら笑顔を見せた。


「そろそろ良いかしら? Peewees」

「……待ってあげて優しい」


 マヒトツネか小さな声でマーガレットを揶揄った。


「待たせたな、マーガレット」

「師団長が抜けてるわよ。 DamnBoy」


 マーガレットは、神衣カムイ鉄鎚メイスをブンブンと振り回しながら、ナムチに余裕の表情で言い返した。


「その余裕を直ぐに後悔することになりますよ」

「ハハッ! 言うねぇ〜FuckinBigMouth!」


 スクナの挑発にマーガレットの瞳がギラリと鋭く光った。


「ここからは僕の……」

「俺の……」

「「俺たちのターンだ!」」


 ナムチとスクナの反撃が始まる。


読んでいただいてありがとうございます!

良かったらブックマークや評価、感想をお願い致します。

更新の励みになります。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ