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人影のその先にあるもの

俺の名前は竹本 勇気(たけもとゆうき)至って普通の高校生なのだが……いつの間にか幽霊の彼女が出来てしまった。そう。あれは…山で修行をしていた時…。



―――――

ザァー

勇気はいつも学校帰りに山で修行をする。霊媒師とかでは無いが竹本家には代々、幽霊を成仏しなければいけない使命があり、俺はまだまだ甘く、幽霊は見えるものの成仏させるまでとはいかないのだ…。小さい頃から修行、修行とおやじにしごかれているのに……。なぜなんだ。


「集中、集中…。って、もういやだぁぁぁあ!なぜ、なぜだ滝にうたれ座禅をくみ、いつもいつも頑張っているのに……なぜこうも力がつかないんだ。滝にうたれるの痛いし。きつすぎる…。」


この竹本勇気は、実は結構実力は着いてるのである。筋肉的にも霊力的にも結構な程に、だが勇気は気づいておらずひたすら鍛錬をしているのである。


「そういえば…確かこの近くに露天風呂があったなぁ。よし、行ってみるか!」


勇気は気分転換に露天風呂に行ってみることにした。それにしてもまだ身体中が痛い。あと寒いし。まぁ露天風呂まで走って行ったら3分で着くから大丈夫か。

勇気はすぐ着替え走って露天風呂へ向かった。


――ザザザザザ

水の音がしてきた。もうすぐそこ。上を見れば星が見える。もうこんな時間か。すぐに入って帰ろう。


「 っ」


「ん?」


今露天風呂の方から声が聞こえたかな……。気のせいか!疲れてるんだろう。まったく…。


――ガラガラガラ


凄い湯気だ。前がうっすらとしか見えない。下もなんかツルツルしてるし…。滑りそう。

あれ、何か人影が…他の人も入りに来ているのだろうか、

ここは山の中だし珍しいこともあるんだなぁ。そんな事はさておき体を洗おう。


「はぁー……気持ちいですぅ……。」


ん?今女の声がしなかったか?


「ここの露天風呂は最高ですねぇ…。」


やっぱり声がする。ここ男湯だぞ……。いや、決めつけは良くないか。声の高い男の人かもしれないからな!うん。

体も洗ったし、見に行こう。


勇気は体を洗い露天風呂へ向かった。


「おっ、だいぶ見えるようになってきだぞ」


あれ、男性の胸はあんなにでかかったかな。髪も長い。


「一旦落ち着こう。うん。気のせい。もう一度見たら変わってるかもしれない。まったく、どういう幻覚なんだけしからん。」


いくら見返してもでかい胸、長い髪、全く変わらない。


「なぜ女がいるんだ…間違えてるのか。ここは大人の対応をしなければいけないな!うん。」


そう、勇気はけっっっつして見たい訳では無い。ただ気になるだけだ。何故ここに女がいるのかを。


「あのぉ……すいません。」


ビクッ


え、いまビクッってした?したよな。


「ここ男湯ですよ。なぜ女性の方がいるのですか」


「 で か?」


「え?」


「私の事、見えるのですか?」


「え、見えますよ。普通にハッキリと。」


彼女は段々と顔を赤くしながら呟いた。


「とりあえず、ごめんなさい。こんな時間に男湯に来る人なんかいないと思い、女湯は工事中だったので、入りました……。」


「そ、そうなんですね。さっきの私の事見えるのですかとは一体どういう事なんでしょう」


「それは……私、幽霊なんです」


「え、幽霊なんですか」


「はい、決して悪い幽霊ではないんですよ!何も人に危害を加えてませんし。」


とは言ったものの…。自分は成仏させることが出来ないからなぁ。彼女はどうしたものか。親父に頼んで成仏させてもらうかな。


「あなた、もしかして除霊師ですか?」


「んー。まぁそんな感じです。何故ですか?」


「霊力が結構お持ちでもしかしてと思いました。」


え、俺そんな分かるほどの霊力持ってたっけ?まぁいいや。


「まさか私を成仏させるのですか」


「そうしたいんだけど、俺成仏させることが出来ないんだよ霊を…だから親父に頼んでしてもらおうかなと」


「ま、ま、まってください!お願いします。まだ成仏したくないんです。やりたいことがまだいっぱい…」


「でもなー、ずっと放置し続けることは出来ないんだよ。あなたもわかるだろう。いくら良い幽霊でもしばらく経てば鬼になり理性を失う化け物になる。」


そう鬼、幽霊は何故か時間が経つと鬼になる。何故なんだろう。良く考えれば不思議だな。どういう原理で……て考えても分からないか。


「何でもします!だから成仏だけは見逃してください…」


彼女の見た目は決して悪そうでもない。多分良い霊だと思う。中には悪い霊もいるのだが彼女はそんな事はないだろうな。だって高校生の女の子って感じだもん。


「何でもか、何でもっていってもなぁ。」


「そ、そうだ!彼女、私を彼女にしてください!見る限り女性経験が無さそうですし…。」


「し、失礼なやつだな!確かに女性経験はないが……」


でも彼女凄く可愛いからな。ありかもしれない。だがいつから幽霊になったんだろう。


「その前に聞きたいことがあるのだが、あなたはいつから幽霊になったんだ」


「えーと、確か3年前ぐらいだった気がします、あまり覚えていなくて…」


「3年か……って3年?!」


「はい、3年です。たしかですけど」


3年もたっているのに鬼にならないのか彼女は…普通の霊は1年いや1年半ぐらいに成仏しなければ鬼になってしまう。不思議なこともあるんだな。


「体とか大丈夫なのか!変化とかはないのか!」


「はい、全くもって無いです。自分でもビックリしています。」


「生きている時の記憶はあるのか」


「それが……あまり覚えていなくて…死んだ理由も分からないんです。」


何かありそうだな。地縛霊って言うこともなさそうだし…どういう霊なのだろうか。


「それにしても彼女かぁ」


「そ、そうです。お願いします。まだ成仏したくないんです。あなたの彼女になりますから!」


彼女は半泣きになりながら言ってきた。ちくしょう可愛すぎる。


「わかった、わかった。ただしルールがある。」


「ルール、ですか?」


「そう、その1親父には見つかるな。その2あまり俺から離れないこと。離れる時は言う事。他の人に成仏させられるかもしれないからな。あとは自由だ」


「ありがとうございます!分かりました!」


「ところで名前を言ってなかったな、俺の名前は竹本勇気だ」


「竹本……ってあの竹本家のですか!」


「まぁ、うん。そう。それがどうかしたか」


「それがって幽霊の中では有名なんですよ」


「まぁ確かにそうかもしれないな、実際幽霊を成仏させるのが仕事みたいなもんだからな…それで君の名前は?」


「は、はい。申し遅れました。私の名前は…森本霊香(もりもとれいか)と言います。れいかとお呼びください!」


何故かすごく目をキラキラさせてる。可愛いなぁ。とは言ったものの森本?どこかで聞いたことがあるな…。まぁいいか。


「おう!俺のことは勇気でいいぞ」


「はい、勇気さん!」


幽霊と彼氏彼女の関係になったのはおかしいと思うが……何とかなるだろう。


「ところで、その…」


「ん?どうした」


「その……前の…隠して貰えませんか…。」


「ん?前………あ、ご、ごめん!!」


「い、いいですよそんな事一つや二つあるでしょう。」


あるものなのか?まぁいいか。今日から幽香とはカップルになったんだが……

まさか修行してたら幽霊の彼女が出来るなんてなぁ。


















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