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背負うもの  作者: ボールペン
第六話 雨の日の思い出
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半殺し後

 治安が悪いと話題になる地域というのは、往々にしてそこまで酷くはないことが多い。実際住んでみたら確かに、ということはあるだろうが、遠方から遊びに来る分には何の問題も見当たらないというのはよくある話だ。


 だが、火のないところに煙は立たない。治安が悪いと噂されるということは、確実にその理由があるものである。


「・・・・・」


 4月28日。人の寄りつかない路地裏のゴミ捨て場に倒れ込み、雨ざらしに遭っていた血まみれの学生は、途切れ途切れの意識をなんとか繋ぎとめていた。


「ぁ――――」


 記憶はほとんど残っていなかった。前夜、かつてケンカした相手が仲間を引き連れて襲ってきて、三人ほど倒したところまでは覚えているのだが、その後の記憶がプッツリと途切れてしまっていた。


 身体は、むしろ痛みのない箇所がどこなのか分からないくらいにボロボロだった。身体を動かそうにも、神経が繋がっている実感がなかった。指先すら微動だにせず、脳に送られてくる信号はただひたすらに身の危険を訴えるかのような痛みばかりだった。


「――――」


 死ななかっただけマシであろうか。否、むしろいっそ死んでしまった方が楽だったのかもしれない。心身共に冷え切ってしまい、思考もままならない状態だった彼は、結局間もなく再び深い眠りへと落ちてしまった。


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