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華音の身体に浮かぶ呪文、育ちつつある呪文

華音、シルビア、春香の三人は、何も恥ずかしがることもなく、お互いに身体を洗いあい、一緒に大きなお風呂に沈んだ。


シルビアの明るい顔が戻った。

「華音、驚いた?」


華音は、素直に頷く。

「まさか、自分のお尻なんて見たことないし、わからなかった」


春香は、やさしい笑顔。

「ついついキツめのことを言ってしまったけれど、ごめんね」

「でも、早く華音に気づかせたかった」


華音は、春香の手を握る。

「ずっと格闘の訓練と勉強だけで、知らないことが多かった」

「迷惑かけたかな」


シルビアは首を横に振り、華音の手を握る。

「気にしないでいい、それより、まだまだやることがあるしね」

春香は、華音の手を強く握り返す。

「勉強はしないといけない、様々な学問をね」

「観音様の呪文もお尻にあるくらいだから」


華音は、目を閉じた。

「その薬師様とかの御力は、時々感じることがあった」

「格闘の修行で、怪我をしても、すぐに治る」

「この人に治ってもらいたいって、懸命に思うと、その人が不思議に治る」


シルビアが華音に身体をグッと寄せた。

「その癒しの御力は、ますます強くなるよ」

「特に、私たち三人が一緒の場合はね」


春香も、同じように華音に身体を寄せた。

「おそらく、その使命を帯びて、私たち三人が生まれたというか、この世に遣わされたの」

「それは、大事に発揮しなければならないと思うよ」


華音は、もう少し話したい様子。

「毘沙門天の梵字って言っていたけれど、それもあるの?」


シルビアは、頷く。

「うん、今はっきりしているのは、薬師様と観音様と毘沙門天の梵字が重なっているということ」

「だから、華音の成長次第で、同時にその力を使えるようになる」


春香も追加のような説明。

「癒しの御力が主体なのか、知恵の御力が主体なのか、あるいは戦闘の御力が主体なのか、それは今の時点では判明できていない」

「薬師様の梵字だけは、生まれてきた時から、はっきりしていたみたいだけどね」


華音は、うなった。

「生まれた時・・・って言われても・・・」

「今西家の圭子さんにも、それを言われたことあるけど」

「全く実感がない」


シルビア

「華音君のお父さんの方針もあったけれど、まずは身体の鍛錬ということで、柳生先生と潮崎先生の修行が中心となった」

「学問を手抜きしたわけではないけれどね」


春香の口調が少し変化した。

「それとね、華音、たいていはそんな感じなんだけどね」


華音が春香の顔を見ると、春香の目が輝いた。

「まだ、他にも、浮かびつつあるというか、成長しつつある呪文があるみたいなの」

「それが、梵字ではなくてね」


ただ、華音は、そんなことを言われても、全く実感がない。


首を傾げていると、シルビア。

「成長しつつあるのは、ギリシャの格闘王ヘラクレスの呪文と言うのか、マーク」


あっけに取られる華音にシルビアはもう一言。

「かのオリンポス12神のアポロン」


華音は驚きのあまり、湯船にズブズブと沈み込んでいる。


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