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冷たいテニス部員と何もしない顧問と華音

走り出してしまった三田華音を雨宮瞳も追いかける。

そして走りながら

「華音君、私がテニス部なんだから、一緒に!」

「華音君も紹介しないと、全員初対面でしょ?」

と声をかける。


華音もすぐに応える。

「はい、雨宮さん、是非、そうしてください!」

「何より、怪我人は相当痛いはず!」

「少しでも、面倒な時間はさけましょう」

声は大きくなっているものの、やはり冷静沈着。


雨宮瞳は、そこで感じた。


「もしかして華音君、私を走らせるために、自分で走り出したのかな」

「さっき、ちらっと見たのは、その合図?」

「ついつい三井先生の話を聞いちゃったけれど」

「うーん・・・これは華音君のほうが正解だ」

「まずは怪我人の手当をしなくては・・・」

「そもそも走り出すべきは、テニス部の私だった」

「少し反省しなければならない」


雨宮瞳は、少々、落ち着きがない自分を反省している。



さて、三田華音と雨宮瞳は、テニスコートの入り口についた。

そして、ここではやはり、テニス部の雨宮瞳が先にテニスコートに入る。


倒れてしまって動けない二年生の沢田文美の周りには、テニス部顧問高田とたくさんのテニス部員が集まっていた。

しかし、脂汗を流して苦しむ沢田文美の周りで集まって見ているだけ、「大丈夫?」などと声をかけるだけで、それ以外の動きが全くない。


それどころか、

「さっさとどいてよ」とか、

「私たちの練習の邪魔」

「あーーー気分害した、今日は練習サボろう」

などの声も出るような雰囲気。

また、テニス部顧問高田も、「動かすのが面倒だなあ」「これで大会に間に合うかなあ」などつぶやくだけで、全く動きを見せていない。


雨宮瞳は、テニス部顧問や同じ部員たちの、そんな様子にはムッとしたものの、大声で叫んだ。


「保健室から、担架を持って来ました」

「皆さん、少し手伝ってください!」


その雨宮瞳の声で、沢田文美の周りに集まっていたテニス部顧問やテニス部員たちが、一斉に雨宮瞳と担架を持った三田華音に注目。


「瞳!その子誰?」

「部外者が入っていいの?」

「勝手に入れないでよ!」

「何で担架なの?ペアの人が担いでいけばいいじゃない!」

口々に、逆切れされている。


「うっ」と詰まってしまった雨宮瞳に変わって、三田華音が頭を下げた。


「はい、はじめまして、今日、転校してきた三田華音と申します」

「いろいろと、分を超えてしまったようで、申し訳ありません」

「ただ、そこで右足首を抑えて苦しんでいる沢田さんが心配なあまり」

「保健室の三井先生の許可を得て、担架を持って来ました」

「本当に申し訳ありませんが、まずは沢田さんを、保健室に運ばせていただきたく思います」


相変わらず、やさしく落ち着いた声、その上、テニス部顧問とテニス部員に頭を下げて、怪我人を保健室に運ぶと言っている。


そして、保健教師の三井が情報を伝えたらしい。

吉村学園長も保健室の三井春香と一緒に、テニスコートに姿を見せている。

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