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井の頭線車内にて、従姉にやりこめられる華音

華音は、しばらくして、口を開いた。

「わかりました、今度の土日で、よろしくお願いします」

と、頭を下げるけれど、それは高村により、とどめられた。

「いや、お願いするのは、こっちのほう、国としてになる」

「華音君の蔵書だもの、それを借りるのは国なので」


華音が「はい」と、顔をあげると、吉村学園長も今西圭子も頷いている。


学園長室では、そんな話がまとまり、華音は文学研究会には出向かず、そのまま帰宅することにした。

理由としては、


「あまりにも書物が未整理」

「和書と洋文書が混在している場合も否定できない」

「ある程度は整理をしておかないと、当日に大混乱が発生する」

「大混乱は作業の遅れにつながる」

「なんとか、作業をしやすいように、準備しておかないと」

「圭子さんも出てきて、文化庁がバックにいて」

「無様なことはできない」

となる。


ただ、考えるだけでも、作業は膨大なもの。

「仕方ないか」

華音は、帰宅途中の井の頭線内で、スマホでシルビアと春香に「協力依頼メッセージ」を送る。


「土日の整理作業の前に、もう少し進めておきたい」

「今西圭子さんと文化庁が来た」

「藤原定家関連を貸して欲しいとか」

「とにかくお願い!」


シルビアからの返事は、簡単なもの。

「うん、わかった、後で肩もみ1時間」


華音がホッとしていると、春香からも返事が来た。

ただ、春香は少々厳しめの言葉。

「華音君、早々と安請け合いし過ぎ」

「せめて、もう一か月後とか、どうして考えないの?」

「また圭子さんに、押されたの?」

「どうして圭子さんに弱いの?」

「それは手伝うけれど、もう少し慎重になさい」


華音は、厳しめの言葉に、少々焦る。

「すみません、春香さん、痛み入ります」


すると春香がまた返信。

「昨日のヤクザ退治も、慎重にね」

「大丈夫とは思うけれど、万が一もある」

「ああいう手合いは、必ず報復があるんだから」

「まあ、人助けと言うことでは、評価してあげるけれど」


華音は、「タジタジ」となるばかり。


すると、シルビアから、またメッセージ。

「もう始めてる、PCのパスワードもわかった」

「駅に着いたら、走ってきなさい」


華音は「タジタジ」から焦った。

「どうしてPCのパスワードがわかるのかな」

「単純なパスワードだけど・・・それは否めない」

「・・・見られて困るようなファイルはないからいいけれど」

「奈良と明日香村の写真ぐらいか」


焦りが、落ちついた華音に、また春香からメッセージ。

今度もお叱り気味。

「華音君!どうして私たちの写真が一枚もないの?」

「風景ばかり!」

「気に入らないから、シルビアと私の顔写真を壁紙にした」

「文句は言わせません」


華音は、ため息をついている。


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