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華音の人助け vsヤクザ

華音は、若い男に凄まれても、全く動じない。

まず、おばあさんに、ゆっくりと声をかけた。

「ねえ、おばあさん、その鞄はおばあさんのもの?」

おばあさんは、必死な表情でうなづく。

「私の鞄ですたい」

華音の聞き取った通り、博多弁のような感じ。

華音は、頷いて、もう一つ、おばあさんに、質問をする。

「ねえ、おばあさん、この若い男の人は、お知り合いなの?」

おばあさんは、今度は必死に首を横に振る。

「知らん、こんな人、見たこともあったこともない」


華音は、ゆっくり頷いて、今度は若い男に、声をかけた。

「このおばあさんは、あなたのことを何も知らないって言っています」

「それなのに、どう見ても、あなたは、このおばあさんの鞄を奪おうとしています」

「何か理由があるのですか?」

少し大き目の声、周囲にも聞こえるように、話している。


華音の言葉の途中から、若い男の顔つきが変わった。

そしておばあさんの鞄を最初は両手でつかんでいたのを、左手だけに。

右手を内ポケットに入れ、何か光るものを出そうとしている。


華音は、それでも、全く動じない。

「短刀ですか?それともピストルか何か?」

若い男にかける声も大き目、周囲の人々に聞こえている。


若い男も、それには気が付いているようだ。

「は!こうなれば、どうせ警察でも何でも来るんだろ?」

「でもな、こうやって、邪魔されればな、俺だって意地がある」

「ただ、はい、そうですかって、縛られるわけにはいかねえんだ」


そう言いながら、とうとう、若い男は内ポケットから、ギラギラと光る短刀を取り出し、また威嚇する


「兄ちゃんとばあさんに怪我の一つでもな・・・」


周囲の人々が騒ぎ出した。

「うわ!やっぱりヤクザ?」

「あの男の子とおばあさん、危ないよ、丸腰でしょ?」

「警察・・・遅いなあ・・・」

「ヤバイよ、これ・・・血を見るよ!」

「警察が早く来ないと・・・刃物持たれて、大暴れされたら、私たちだって、怪我するって・・・」


若い男は、鞄から左手も離し、ニヤッと笑う。

「見物人も多いようだ」

「こうなったら、大暴れしてやる」

「まず手始めに、このババアとお前だ・・・」


華音は、それでも動じない。

落ちついて、若い男の声をかける。

「いいですか?まだ怪我人は出ていないので、今なら大きな罪にはなりません」

「諦めるのは今です、それで何十年も刑期が違うんです」


次の瞬間だった。

若い男は、突然、激高。


「うるせえ!このガキ!」

華音に向けて、思いっきり短刀を突きだした。


周囲の人々は、

「キャア!」「怖い!」「殺される!」と大声で叫ぶもの。

目を閉じて凍りつくものの様々。


しかし、一瞬にして、結果がついた。

華音は、短刀を軽くかわし、若い男を足払い、おばあさんの前に立つ。


若い男は、華音の足払いで、思いっきりバランスを崩し、コンクリートの地面に頭を突っ込んでいる。



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