ケーキ屋にて 華音と女子たち
華音は、瞳に気配りをした。
「それなら、雨宮さん、もしご都合がよろしければ、ご一緒に」
瞳は、その時点で、満面の笑み。
「はい!全く問題はありませんよ」
「ご相伴いたします!」
そのまま、華音の右腕を組んでしまう。
沢田文美と瞳は「視線バチバチ」の状態になる・・・しかし、それは華音が制した。
華音は柔らかな笑顔。
「いくらなんでも、三人腕を組んで歩くのも変です」
「幼稚園のお散歩でも、そんなことはありません」
沢田文美と腕を離す。
「う・・・それもそうだ」
雨宮瞳
「名残惜しいけれど・・・」
一時、そんなどうでもいい「やり取り」があったものの、一行は学園からほど近い、大型の喫茶店に入った。
沢田文美が華音の前に座る。
「華音君は、いつも美味しいケーキを食べていそうだから、味が合うかなあ」
華音は恥ずかしそう。
「うーん・・・そんなことはないです」
瞳
「何を選ぶか興味がある」
小川恵美も華音に注目。
「こうやってじっと見ると・・・可愛い、整った顔、目がクリクリってして」
「色白で二重まぶただ」
剣道部からの女子は、自己紹介もする。
「私、奈々子、剣道はメチャすごかったね、今の可愛いお顔が信じられない」
華音は笑って応える。
「いえ・・・突然、あんなことになってしまって」
空手部女子も自己紹介。
「私は、真名、空手部の時もすごかった」
「剛さんが壁まで飛ばされて、顧問は投げられて・・・」
と二人言って、ハッとした顔。
それもそのはず、華音は人差し指を唇にあて、「禁句」のポーズ。
奈々子
「ごめん、ついつい」
真名
「思い出しちゃって」
二人とも、華音に頭をペコリする。
沢田文美と雨宮瞳は、同時に感じた。
「それほどすごかったんだ、部外秘になるほどか」
さて、華音が頼んだケーキは、フランボワーズ。
飲み物は、ローズヒップティー。
沢田文美
「ふむ、同じもの、甘酸っぱくて上品」
雨宮瞳も、ついてきた女子たちも、結局同じものを頼む。
「実は私もフランボワーズは大好き」
華音に、スリスリ気味になるけれど、沢田文美に目で静止されている。
結局「視線バチバチ」は、復活してしまった。
ケーキを食べながら、華音が女子全員に質問をする。
「あの・・・明日は、文学研究会に行こうかと思っています」
「それで・・・場所を教えていただいたら」
ところが、それを聞かれた女子全員は、一様に、顔を見合わせている。




