華音の蔵書!瞳の華音攻略計画の第一歩
華音が教室から鞄を持ち、歩いていると、後ろから声がかけられた。
「華音君!一緒に帰ろう!」
華音が振り向くと、雨宮瞳が立っている。
華音は、すんなり。
「あ、わかりました、それではご一緒に」
雨宮瞳は、満面の笑み。
スッと、華音の隣をゲットする。
華音
「雨宮さん、練習は終わったの?」
瞳
「うん、終わった、華音君は大丈夫?」
華音は、少し笑う。
「はい、空手部ですね、合気を使いました」
瞳は興味津々。
「へえ、見たかったなあ」
華音は、また少し笑うだけ。
瞳がまた声をかける。
「今日はお家に帰って、あの本の整理?」
華音
「はい、どうしようかなと」
瞳
「それにしても、すごい量だよね」
華音は苦笑い。
「数えていないけれど、部屋にあるだけで、500冊」
「下の応接間にあるのは、それを越えているかなあ」
瞳は、呆れた。
「どうやって手に入れたの?そんな量」
華音
「奈良の祖父が持っていたものもありますし、杉並の祖父の分もあるし」
「奈良のじいさんが、お寺さんからもらったのもあるかなあ」
瞳は「え?」という顔。
「お寺さんって?」
華音は遠くを見るような顔。
「はい、お寺のお坊さんから」
「薬師寺さん、唐招提寺さん、元興寺さん、興福寺さん、東大寺さん、法華寺さん、西大寺さん・・・他にも・・・いろいろです」
そして難しい顔。
「困るのは、古文書みたいなのがあって、まず読めない」
「源氏とか伊勢物語とか、枕草子もある」
「和歌集みたいなのは、かなりな崩し文字」
瞳は、この時点でため息。
「はあ・・・私・・・無理かも」
「そんなのが、500冊?」
華音は、また笑う。
「杉並の祖父のは、洋書が中心」
「貿易業でしたので」
「英語なら、まだいいけれど・・・」
「フランス語、ドイツ語、イタリア語、ロシア語、ギリシャ語・・・」
「聖書から、文学まで」
瞳は、呆れながら聞いてみた。
「華音君、それ・・・全部読むの?」
自分なら、一生かかっても、まず読めないと思う。
華音は、また笑う。
「そうですねえ、読めとは言われました」
「でも、その前に整理しないと」
「それが本音です」
瞳は思った。
「とても内容は理解できない本だらけ」
「でも、整理のお手伝いくらいはできるかなあ」
そして、華音に声をかけた。
「ねえ、華音君、私、お手伝いしたい」
これが、瞳の華音攻略計画の第一歩となったのである。




