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調査開始(2)駅前の海鮮料理店でトラブル

「逃げられない、今さら」

華音は久保田紀子と腕を組んだまま歩き出した。


久保田紀子は笑顔。

「解こうと思えば出来るくせに」

華音は苦笑い。

「それは簡単、でも紀子さんは大騒ぎするでしょ?」

「その大騒ぎが面倒なだけ」


2人は、駅前の海鮮料理店に入った。

そこで華音は、観光案内のパンフレットを探す。

「ここは観光地、観光地の飲食店には、たいてい近隣のホテルのパンフレットが置いてある」

ただ、華音は首を傾げた。

「他の旅館とかホテル、民宿のパンフレットはあるのに・・・何でないのかな」


久保田紀子は、注文を取りに来た中年の店員にそれとなく聞く。

「このお店の近くに、インペリアルホテルがあると思うのですが」

「パンフレットはありますか?」


すると店員は、驚いたような顔。

しかも、首を横に振る。

「お客様、まさか、あのホテルにお泊りに?」

「もし、キャンセルが出来るなら、他のホテルを紹介いたしますが」


華音はじっと店員の顔を見た。

「何か、あのホテルに問題でも?」


その店員が、今度は顔をしかめて口を開こうとした時だった。

海鮮料理店のドアが乱暴に開けられ、数人の高校生が入って来た。

そして、席に着くなり、大騒ぎを始める。

「おい!親父!ビールだ!」

「それから、酒の肴になるもの!」

「牡蠣フライでも何でもタンマリ持って来い!」


途端に店内の雰囲気が悪くなった。

華音と久保田紀子の注文は、後回し。

店員はペコペコと高校生たちに頭を下げ、料理を運び、ビールを注いでいる。


あまりのことに華音が久保田紀子の顔を見ると、久保田紀子は僅かなウィンク。

そのまま唇を少し動かす。


華音は、その唇の動きを読んだ。

「全て、録画中・・・」

「高校生は、県議の息子が親玉」


それとは知らずに、海鮮料理店の中は、県議の息子を中心とした高校生の酒盛りパーティーと化している。


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