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決戦!VS国際テロ集団(8)対ジャン

柳生霧冬が華音を見た。

「ジャンは得物を使うようだ、華音も使うか?」

華音は、少し考えて答えた。

「どっちでも同じ、倒すだけ」

潮崎師匠が、やれやれといった顔。

「もうジャンの力を見抜いた?」

「それでもフェンシングの元オリンピック選手だぞ」


柳生隆は、華音の右アッパーで完全KOされたボルコフの前にいる。

「馬鹿に起きて来ないと思ったら、顎の骨も砕けて、後頭部も甲板に打ち付けられて意識も混沌」

柳生隆も華音に声をかけた。

「華音、斃した三人、すぐ治療しないと、死ぬよ」


華音も、それは理解していた様子。

「うん、お任せします」

「殺人者にはなりたくないので」


そして、ジャンを見た。

「殺しはしないけれど、あんなふうになりたくなければ、ここで戦わないで」

「それでも、痛みを味わいたければ、仕方ないけれど」


ジャンは、その華音を、せせら笑う。

「そこの少年、確かに徒手格闘は評価する」

「この俺が見て来たどの兵士より強い」

「だがな、戦場では武器を使う」

「子供程度に負ける剣ではない」

ジャンは腰から短剣を抜き放った。


潮崎師匠が、複雑な表情になる。

「確かに、ジャンは強いよ、速いし確実に急所を突く」

「そして切れれば、相手の臓腑を抉り出す」

「でもなあ・・・」

柳生霧冬は、少し嫌そうな顔。

「華音は、相手の殺意が強ければ強いほど、相手に容赦をしなくなる」

「まあ、それでも殺しはしないだろうけれど」


少し考えて、周囲を見回していた華音は、いきなりしゃがみ込んだ。

そして、そこにあったロープを手に取り、立ち上がる。


ジャンは、華音が何故、ロープを手に取ったのか、わからない。

「おい!俺の剣に対して、ロープか!」

「そんなものを、どう使う!」

つい発した言葉も、イラつき気味。


しかし、華音はジャンの言葉など、何も聞いていない。

そのまま、ブン!ブン!と、手に持ったロープを振り回し始める。


柳生隆が呆れたような、恐れるような顔。

「なんて速さだ、あの重いロープを」

「あのロープは固いし、なまじの剣では切れない」

「もし、あれが、あの速度で顔に当たれば、ジャンの頭は吹き飛ぶ」


「こっちから行きます!」

「よけられるようなら、よけてみてください!」

その言葉通り、いきなり、華音のロープがジャンを襲った。

ただ、その狙った先は、ジャンの首ではなかった。

いや、最初はジャンの首に迫ったロープは、ジャンがよけた途端に、足元に落ち、そのまま跳ね上がって、ジャンの足首に絡みつく。


「うわっ!」

いきなり足首の自由を奪われたジャンは、立っていられなかった。

短剣を手にしたまま、甲板に前のめりに倒れてしまう。

ジャンは、顔面を甲板に、強く打ちつけ、立ち上がれない。


「終わったな、呆気ない」

「ジャンは、あの固いロープで両足首の腱を切断された」

「剣でなくても、人は切れる」

「痛くて、声も出んか」

柳生霧冬がつぶやくと同時に、華音はジャンの短剣を蹴り上げ、海上に飛ばす。

そして、そのまま意識昏倒のジャンをロープで縛りあげている。


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