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国際テロ集団 柳生事務所では会議

華音が結衣に慰められている時間、柳生事務所は国際テロ集団への対応を協議している。


まず、女性スタッフの吉田が現状報告。

尚、吉田スタッフは、金融法務とPCプログラムが専門。

「各国の地下銀行データやタックスヘイブンにハッカー侵入」

「少々苦労しましたが、ロードス島に当該口座を発見」

「そこからリーダー集団も予想がつきました」

「尚、国際テロ集団のデジタル通貨による蓄財については、特殊なウィルスを何個か開発しました」

「それを判読不能に合成して、残高そのものを無効化することが可能です」

「すでにウィルスは送付済み、指示があれば、その時刻に一兆円の不正蓄財は残高が無くなります」


男性スタッフの橋本が続いた。

尚、橋本スタッフは元自衛官、現役自衛官の情報にも詳しい。

「不審な動きをした自衛官数人を取り調べました」

「各地に分散していたのですが、これもある程度を特定できれば、あとは芋づる式に把握するができました」

「結果として、その国際テロ集団から、資金提供と組織勧誘を受けていた面子のデータは揃いました」

「現役自衛官が300名、警察官が200名」

「現状は、その上司たちに内容を伝え、秘密で監視を依頼しています」

「ほぼ全員が、武器弾薬庫管理のスタッフで、行動もわかりやすい」


柳生隆が、腕を組む。

「資金源を断つことが可能になった」

「それから、国際テロ集団が下働きをさせようとしている国内の協力者も把握、いつでもその動きを無効化できる」

「しかし、まだまだ足りない」


女性スタッフの松田が別の情報。

松田スタッフは秘密工作の専門家、また松田明美の実の姉になる。

「日本への交通手段としては、九分九厘、ステルス接近」

「国籍不明の潜水艦か・・・ダミーでどこかの国の旗を掲げた貨物船」

「上陸地は、横浜、あるいは羽田ふ頭」

「これは監視中の自衛官や警察官のSNS記録からも把握できます」

「自衛隊、海上保安庁、米軍にも秘密裡に情報は送ってありますので、把握次第協調行動を取れるのですが」


柳生清は、渋い顔。

「先方も、そんな事態を想定して動くだろう」

「その意味で、潜水艦は案外、発見されやすい、使わないだろう」

「どうでもいい貨物船に紛れて入って来て、武器もその貨物船内に」

「初戦勝利を確定させたいだろうから、強力な武器」

「日本に上陸する前に、ドローン攻撃もあるかな」

「ドローンを船から飛ばすことも考えないと」

「最近は飛行時間も長くなっている」

「電力を発電できる電力ジェネレーターを備えて6時間飛行が可能のものもある」

「それを使って、化学兵器、細菌兵器も考えられる」


柳生隆

「しかし、その船舶の把握が困難」

「全ての船舶の厳密な立入検査などは無理」

「極力、洋上で倒したいけれど」


議論が難しくなる中、柳生霧冬が発言。

「いずれにせよ、横浜と羽田に近づく船をヘリなどで空中監視」

柳生霧冬は、潮崎を見た。

「潮崎は、予想されるリーダーの戦法とか性格を調べて欲しい」


潮崎師匠は、深く頷いている。


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