美少女アイドルを救え!(8)
予想通り、結衣のマンションの前は、マスコミやファンで騒然となっている。
華音は首を傾げる。
「ここまで、集まるものなのかな」
松田明美
「華音ちゃんはあまり興味がないけど、美少女アイドルとか、すごいよ」
「何をしても反響は半端ではないの」
「それに不倫ネタが絡むんだから、ますます」
華音
「下手に刺激しない方がいいかな」
松田明美
「近隣の住民に迷惑が掛からない程度に監視かな」
「ちょっとした言葉でも、曲解して。大騒ぎになる」
「いわゆるパニック状態」
華音
「結衣ちゃんのファンは守ろうとするし」
「マスコミは、とにかく小さなことを大きくして売れる記事を書く」
松田明美
「そもそも不倫なんて、当事者たちで話をつけるべき」
「自分がその人と恋仲になるわけでもないのに」
華音
「取材対象が顔を見せないのだから、やがては解散するのかな」
松田明美
「まあ、今日ぐらいは騒いで、少しずつ減る程度」
華音
「刺激しないで屋敷に戻ることにする」
松田明美
「それが正解、また、別の手を打とう」
さて、そんな話がまとまり、華音と松田明美が屋敷に戻ると、既に相当「別の手」が進行しているようだ。
シルビア
「柳生事務所の小島スタッフからメールが入って、決定的な写真付き」
華音と松田明美は、そのメールを見て驚いた。
華音
「これ・・・あの政治家と・・・この女の子が?」
松田明美
「うん、ホテルだよね、一緒の部屋に入って行く場面と、出て来る場面」
春香
「実はね、その政治家の政治資金報告書の内容が不明な部分が多いので、柳生事務所も、調査中だったみたい」
「その柳生事務所に連絡があって」
華音は、「やれやれ」と言った顔。
「だって、ここのホテルって、もしかして吉祥寺のあのホテルでしょ?」
「僕のお祖父さんのホテルだもの」
「そこで、そんなことをしていたんだ」
「つまり根津の叔父さんがホテルマンをしていて・・・その情報を・・・か」
松田明美
「この女の子も未成年だし・・・援助交際?政治資金から?」
柳生隆
「これをマスコミにリークすると、とんでもないことになるよ」
「政治家は、失脚も免れない」
「大幹部の不祥事だから、政党支持率も下がるし、選挙にも悪影響」
エレーナが結衣に尋ねた。
「結衣ちゃんとしては、どうしたいの?」
結衣は難しい顔。
「私は、濡れ衣を晴らしてもらいたい」
「そんなことをした人は・・・しっかり罰を与えないと、また繰り返すから」
「でも、私も、私を貶めた子もいなくなると・・・グループはメチャクチャだよ」
「期待してくれているファンを傷つけるし」
華音は、結衣の顔を見た。
「僕は、ここはケジメをつけるべきと思う」
「日本のためにも、芸能界の今後のためにも」
その華音の表情は、いつになく厳しい。




