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美少女アイドルを救え!(1)

大騒ぎの浅草から銀座までの散歩も終わった数日後の朝、華音は久々に洋館の屋上にのぼった。

そして、まずは杉並の住宅地の風景、そして井の頭公園から吉祥寺までを眺め、再び近所に目を移した時点で、少し違和感を覚えた。


「何だろう、静かなはずのこの地域に」

「バイクとか車が多いし、カメラを持った人が多い」

「それも・・・あそこのマンションかな」

「何か事件があったのかな」


華音が、そんなことを思って、しばらく眺めていると立花管理人も屋上にのぼって来た。

立花管理人

「おそらく芸能人関係で、ゴシップ取材と思われます」

「まだ若い、17歳くらいのアイドルの女の子のようです」


華音はそこで思った。

「いくらなんでも17歳の女の子」

「アイドルとはいっても、あれほどの大人に囲まれると動揺するよね」

「近所の人も出歩きづらくて迷惑するかも」


立花管理人も厳しい顔になった。

「そうですね、確かに取材で職場である事務所に行くわけではなくて」

「個人の私生活の場に行くわけです」

「当然、自分の家ばかりではなく近隣の家のこともあります」

「しかし、取材マスコミは、自分の取材だけに関心があって、ほぼ近隣の迷惑など考慮をしない」

「近隣の住民が迷惑行為と非難をすると、報道の自由を理由にして、逆に怒鳴られるとか」


その立花管理人の言葉が、すぐに現実となった。

屋上から見ている限り、その取材マスコミと近隣住民のトラブルが発生したらしい。

車のクラクションが途切れなく鳴り響いている。


「仕方ないな、少し見てこよう」

華音が立花管理人に目配せ、階下に降りていくと、松田明美。

「どうやら、マスコミの車と近隣住民の車でトラブルみたい」

華音

「とにかく行こうよ、明美さん、警察でしょ?」

松田明美はホッとした顔。

「うん、助かる、お願い」

華音は、少し驚く。

「僕のことを待っていたの?」

松田明美は素直に頷く。

「うん、お願いしたいこともあってね」

「でも、マスコミと近隣住民のトラブルとは別だよ」


さて、華音と松田明美がトラブル発生の現場に到着すると、呆れるような問答が繰り広げられている。


近隣住民の男性

「とにかく迷惑だ!」

「これから出勤するというのに、何故車庫をふさぐように車を止める!」

「駐停車禁止区域だろ!」


マスコミの男は引かない。

「そんなことを言われても、すぐにどきますから」

「取材を先にさせて欲しいんです」

「全国民が私たちの取材を待っているんです」

「それから比べれば、あなた一人の仕事なんて、どうでもいいじゃないですか」

「あなたね、国民の知る権利と、マスコミの取材の自由を侵害するんですか?」

「それだって立派な業務妨害です、わかります?」


華音は松田明美の顔を見た。

「ねえ、明美さん、駐車違反は警察にまかせるとして」

「僕の役目は何?」


松田明美は、華音の屋敷の方を指さした。

華音が目をやると、シルビア、春香、エレーナ、そして柳生隆が歩いて来る。


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