文学研究会は駒場公園内を散歩する。
翌日、華音と一緒に駒場公園と日本近代文学館を訪れたのは、文学研究会の面々。
前日に、華音から部長の長谷川直美に提案すると、長谷川直美も実にあっさりと部員の参加を「文学研究会校外活動」として、取りまとめてしまった。
さて、駒場公園は、加賀百万石の当主であった旧前田侯爵家の駒場邸跡になる。
広々とした芝生の公園の中に、立派な洋館、和館、そして日本近代文学館がある。
まずは洋館に入る。
長谷川直美
「時々来るけれど、明治からのレトロ感が好き」
志田真由美
「洋館が立派だなあ、あのレンガがシックで落ち着いていて」
花井芳香
「華音君はお知り合いなの?」
華音
「はい、東京のおじいさんが貿易関係で、お付き合いがあったとか」
「だから、何度も来たことがあります」
雨宮瞳
「イギリスのカントリーハウスみたい」
佐藤美紀
「ベランダの上に有翼のライオンがいる」
佐藤美紀
「大食堂もすごいなあ。、マントルピースが圧巻、重厚」
和館にも入り、特に女子が驚く。
長谷川直美
「広い畳の部屋、それから庭が美しい」
志田真由美
「雪吊りは、金沢からの伝統かな」
佐藤美紀
「床の間がどっしり感がある」
華音
「違い棚、付け書院、欄間の透かし彫りも立派、さすが侯爵家」
雨宮瞳
「茶室もいい感じ」
花井芳香
「手水鉢の下に水琴窟がある。いい音、こういう音は落ち着く」
日本近代文学館では、企画展の日本詩歌と川端康成記念室を見学。
長谷川直美
「実に文学研究会らしい活動だね」
佐藤美紀
「当初の原稿とか見られて、執筆の現場を見るみたい」
花井芳香
「当時は万年筆か、何度も訂正して、苦しんでいる」
華音
「今みたいに、パソコンで簡単に修正できないし、原稿用紙も万年筆のインクも貴重だったみたい」
志田真由美
「執筆資料も全て書籍とかだよね、今はパソコンで便利だけど」
雨宮瞳
「川端康成をもう一度読むかなあ」
駒場公園内の主要建物を見学した一行は、広々とした芝生広場で休憩。
佐藤美紀
「桜の時期とか、秋の紅葉の時期もいいね」
志田真由美
「渋谷にも近いけれど、こんなに静かとは」
花井芳香
「こういう散歩もいいね、シックな感じ」
華音
「都会のオアシスの一つのような感じです」
長谷川直美
「鎌倉にも、これに近い建物があるみたい、浅草の次に行ってみない?」
誰からも異論はなく、文学研究会の次の次の校外活動は、鎌倉行きが決定となった。




