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瞳の不安 受け止める華音

ようやく女子生徒たちから解放された華音は、屋敷に戻った。

そして、自分の部屋で、いろいろと考える。


「とりあえず、文化部関係の最大行事の文化祭は終了した」

「シルビアと春香の学園が追加されたのは驚いたけれど」

「でも、笠女郎は、いつか話したいと思っていたから」

「女子高校生くらいが発表したほうが良かったのかもしれない」


華音は、ここでため息。


「後は、藤原美里さんと一緒に、外国語のレッスン」

「藤原さんとは、駒場の日本近代文学館に一緒にとの話もあった」

「それと、学園の文学研究会の人たちと、浅草の落語もあるなあ」

「それから、学園の生徒の多くと、実家の奈良か」

「まだいろいろあるけれど、大きなのはみんなを連れて、実家の奈良旅行かなあ」


華音がそんなことを考えていると、瞳からコールがあった。

瞳は声が震えている。

「ねえ、華音君、相談したいことがあるの」

華音

「うん、何でも聴くよ、遠慮しないで何でも言って」

瞳は、また声が震える。

「ねえ・・・お屋敷に行ってもいい?」

華音は、やさしい声。

「うん、お迎えに行くよ」

「少し待っていてくれる?」

瞳は、また声が震える。

「ありがとう・・・こっちから声かけたのに」

「お迎えまで・・・」


華音がお迎えのために瞳の家に出向くと、瞳の母好子が、華音に頭を下げた。

「ごめんね、華音君、文化祭で疲れているのに」

「瞳の我がままで、お迎えに来てもらうなんて」

華音はやさしい顔。

「瞳さんの、お役に立てるなら、本望です」

そして、下を向く瞳の手を握きながら歩き出す。


瞳は、華音に寄り添う。

「ごめん、華音君」

華音はやさしい。

「何も言わなくていいよ。お屋敷についたら、ゆっくり」

「うん・・・ありがと」


その二人を見送る好子は、うらやましそうな顔。

「まあ、仲がいいねえ」

「結局、瞳がモテモテの華音君が心配で」

「嫉妬して、心がグチャグチャ」

「テニス部を辞めたいとか、泣くし」

「そんなことの前に、女の魅力を磨けばいいのに」

「でも、それがわからないのが、あの年頃かな」


さて、華音と瞳は、お屋敷に到着。

その中の個室で、二人きりとなる。


華音がフランボワーズのお茶を淹れると、瞳は一口飲んで、ウルウルとなる。

「華音君、ありがとう、私のために」


その瞳が不安になったのか、華音は瞳の横にすわる。

「何でもいいよ、瞳さん」

「瞳さんが言ってくれるまで、待つから」


瞳は顔が真っ赤、オズオズと手を伸ばす。

「握っていい?」

華音は、すっと瞳の手を握る。

「そんなこと、気にしない」

「僕は瞳さんが好きなの、だから、ずっと握っていたいもの」


瞳の身体が、また震えた。

「え・・・うん・・・うれしい・・・」

瞳は、そのまま身体を華音に預けてしまった。


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