華音の住まいと同居人?など
華音は、にこやかに、そしてやんわりと、引っ越しお手伝いを遠慮する。
「本当に、お申し出ありがとうございます」
「ただ、そこまでは結構です」
「自分のことは自分でできますので」
華音があまりにもやわらかいので、誰も「無理やり」が難しい。
沢田文美でさえ、「えーーー?」と言う残念そうな顔をしているけれど、それ以上の突っ込みができない。
雨宮瞳は、そこで聞きたいことがあった。
そして、華音に尋ねた。
「ねえ、華音君は、一人住まいなの?それとも?」
華音は、少し返事に難しそう。
それでも、答えた。
「えーっと、一人住まいと言えば一人住まいです」
「ただ、同じ屋敷に誰も住んでいないということは、ありません」
「二世帯住宅みたいな感じかなあ」
これには沢田文美が興味深そう。
「ふーん・・・面白い・・・それ・・・」
雨宮瞳は再び尋ねた。
「ねえ、華音君、転校してきた日の柿の葉寿司は華音君が作ったの?」
華音は、笑って首を横に振る。
「いえ、恥ずかしいですが、作ってもらいました」
沢田文美、雨宮瞳、その他、華音の周りに集まっている特に女子たちの顔色が、サッと変わった。
「お母様?お姉さま?」
「でも、一人住まいだよね」
「アヤシイ・・・」
女子たちは顔色が変化し、混乱もしている。
その混乱に華音は困ったような顔。
「えーっと・・・親戚になる女性が・・・」
と。言いづらそうになるけれど、それだけでは女子たちはおさまらない。
「何歳の人?」
「一人だけ?」
「美人なの?」
矢継早で、質問も混乱気味。
華音は、それでも素直、正直に答える。
「えっと、年齢は16歳」
「人数は二人で、二人とも学年は一つ上」
「美人かどうかの話は、私は美人と思っています」
「子供の頃から一緒に育っているので、ひいき目かもしれません」
華音の答えで、女子たちのヒソヒソ話が始まった。
「・・・親戚って言ったよね・・・」
「二人?幼なじみ?」
「柿の葉寿司を作れる」
「華音君が美人って言うんだけど・・・」
雨宮瞳が質問をする。
「でね、華音君、その女の子二人は、学校はどうしているの?」
華音は答えた。
「はい、別の学園、僕と同じように9月から転校、女子高に通っています」
「二人とも同じ学園です」
沢田文美が、グイッと華音に迫った。
「ねえ、華音君、遠慮しないでいいからさ」
「私たち、テニス部も華音君にお礼したいの」
「押しかけみたいになるけれど・・・何かお手伝いさせて」
華音は、少し困ったような顔。
しかし、断りづらいと思ったようだ。
「わかりました、まだ未整理ですが」
華音は、「押しかけお世話」を承諾することになった。




