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立花管理人の判断 エレーナの癒し、華音の涙

立花管理人は全員に頭を下げて、話し出した。


「華音様は、心がやさしいお方なのです」

「そして、責任感が強い」

「万が一にも、自分が原因で、他人に不安や迷惑をかけたくないとのお気持ちが強い」

「しかし、御存知の通り、何をやるにしても、人の気を引き付ける」

「そして華音様に向かって、どんどん人が寄ってきてしまう」

「松田明美様の不安も実に、ごもっとも」

「他校の文化祭などに出演してしまい、予期せぬ事態が発生して、他人に迷惑がかかる可能性も高い」

「ならば、いっそのこと、華音様が身を引こうと思われるのは、当然の流れ」

「他人に尽くしたい、幸せになって欲しいと、常々努力されている華音様です」

「しかし、その結果として、他者に害やら迷惑が発生すれば、それは華音様の意図するところではないのです」



「・・・となると?」

シルビアが立花管理人の顔を見た。


立花管理人は苦しそうな顔。

「おそらく、先ほど、華音様が言われたとおりになるかと」

「他校、女子高の文化祭では必要最低限のご協力」

「その後は、今季限りの東京滞在」

「来学期からは、奈良の学園に戻られると思います」

「大変、残念なことではありますが」

「華音様が、相当傷ついたのは、事実です」


リビングで、難しい雰囲気が続く中、エレーナは華音の部屋で、傷心の華音に寄り添っている、。


エレーナ

「ひどいことを言われたね」

華音の顔は、寂しそう。

「いいさ、全て僕が悪い」

エレーナ

「そんなことないって、明美さんが言い過ぎ」

華音は首を横に振る。

「いや、明美さんが正しい、僕が調子に乗り過ぎた」

「余計なことをし過ぎた」

エレーナ

「そんなこと言わないでよ、華音君を好きな人が多いの」

「何も悪いことしていないじゃない」

「感謝している人は、すごく多いよ」

華音は、寂しそうな笑顔。

「うん、ありがとう」

「でも、柳生事務所とか警備で迷惑かけたのかも」

エレーナ

「そんなことないって、警備の申し出は柳生事務所の申し出でしょ?」

「華音君が頼んだの?違うでしょ?」


華音は、そこで黙ってしまった。

エレーナは、もう、理屈ではないと思った。

そのまま、華音を横抱きして、ベッドに一緒に寝ころぶ。


少し抵抗する華音は、無視した。

そのまま、華音の顔を、その胸に包み込む。


「・・・いろいろ・・・辛かったね」

「よく頑張って来たから」

「ほんと、まじめに」

「人の心を思って」

「華音君の心もパンパンだったよね」

「たまには・・・パンクするよね」

「いいよ、華音君」

「おいで、華音君」


「よしよし・・・華音君・・・よしよし・・・」

エレーナは華音の背中を撫ではじめた。


エレーナの胸は、華音の涙で、濡れ始めている。


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