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華音と母慶子の久しぶりの会話

華音がスマホをタップすると瞳のうれしそうな声。

「ねえ!華音君!奈良のお母様とお話しちゃった!」

「お礼まで言われてね!次の三連休に、私の母も一緒に奈良に招待されたの!」

「うん、華音君の今のお屋敷にいるお姉さまたちも、御招待なんだけどね!」


華音は、少し焦った。

「あの母・・・僕に何の連絡もなく、急にごめんなさい」

「瞳さんだって、瞳さんのお母様も、御都合があるのに」


華音が謝ると瞳は、意外な反応。

「それは華音君が、お母様にしっかりと連絡をしてあげないからでしょ?」

「それは可哀そうよ、すごく心配しておられたもの」


華音が返せないでいると瞳

「とにかく私も母もOK、楽しみだなあ!」

華音は、「うん」と答えるのみ、首を傾げて電話を終えた。


その華音に立花管理人。

「新幹線の券等は、全て手配いたします」

「それと、吉村学園長にも、お母様から連絡をなされ」

「その関連で・・・」


華音は、途中からわかった。

「確かに、文学研究会の人たちにも、そんな話をしたなあ」

「その時に、吉村学園長もいて・・・」

そして、ため息をついた。

「ふむ、大人数だ」

「まるで引率、メチャ神経使う」


華音は、ここまで話が進んでいれば、仕方がなかった。

夕食が始まる前に、奈良に住む母慶子に確認の電話をすることになった。

「お久しぶりだけど、どうして急に?」

母慶子

「それは華音が悪い、あまりにも連絡が無い」

「まあ、立花さんが、逐一連絡をしてくれるから良いけれど」

華音

「寂しかったの?」

母慶子は怒った。

「あほ!当たり前や!至らない華音が心配で心配で」

「何度も事件に逢って、鎌倉では死にかけたんやろ?」

「何で一言も連絡ない?この親不孝者!」

「それもあって、お礼を込めて、御招待したんや」

華音

「何で母さんが来ないの?こっちに・・・その方が楽なのに」

母慶子は、呆れたような感じ。

「あのな、吉村のおばさんからは、何度も奈良に行きたいって連絡があって」

「立花さんも、華音君には言ってあるって話や」

「でもな、肝心の華音から連絡が無い」

「そういうところが、イマイチや、呆れる」

華音は、途中からむくれている。

「そこまで言うの?僕だって東京に出て、日がたっていないもの」

「そんな急に奈良に行きましょうなんて言えないもの」

「母さん、強引すぎ」

母慶子は、そんな華音の文句などは聞かない。

「とにかく、しっかりとご案内しなさい」

華音は、もはや抵抗できなかった。

「わかった」

それでも母に礼を言う。

「ありがとう、母さんの声が聴けてうれしかった」

母慶子は、途端に声が潤んだ。

「アホ・・・泣かせるな・・・華音」

「今でも、逢いとうなった」

母慶子は、華音との電話を終えた後も、しばらく泣いていた。


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