華音は、ホテルのカフェに連れ込まれ、スイーツを食べる。
華音たちと貿易会社支店長佐藤の会食が終わった。
華音は、話が弾んだので、にこやかに佐藤とお別れをするけれど、女性たちはイマイチの顔。
今西圭子
「全く話に入り込めなかった」
松田明美
「男だけで話をしていた感じ、甘い話がなかった」
シルビア
「華音はメチャ堅物や、真面目過ぎ」
春香
「甘いものが食べたくなった、今すぐ」
エレーナ
「ここのホテルでスイーツもいいなあ」
雨宮瞳
「歴史あるここのホテルのお菓子も、食べてみたい」
華音は、それほど食べたくないので、「これ幸い」として、部屋に戻ろうとする。
「それでは、女性たちだけでどうですか?」
「僕は、部屋で周さんにもらった本でも読むかなあ」
と、うれしそうな顔。
しかし、そうは問屋がおろさない。
ホテルのカフェの支配人が出てきた。
「華音君、お姉さまたちを置き去りは、よくない」
渋い顔になる華音のお尻を、春香が叩く。
「ほら!ノロマしない」
「秋のスイーツ祭りって書いてあるのが読めないの?」
シルビアは、華音の袖をつかむ。
「マスカットと巨峰のパフェだって、食べよう」
華音は、結局抵抗は諦めた。
そのまま、カフェに入り、甘いものを食べることになった。
「マスカットと巨峰のパフェ」がシルビア。
「かぼちゃのモンブラン」が春香。
「パンプキンパイ」がエレーナと瞳で、それが秋のスイーツ祭りに属するもの。
今西圭子は、「プリンアラモード」、松田明美は「クープネセラード」という
甘く煮詰めた栗とマロンクリームのデザート。
華音は少し迷って、「ピーチメルバ」というバニラアイスと桃に、甘酸っぱいフランボワーズソースがかけられたもの。
それらを頼み、待っているとパテシィエが華音に挨拶に来た。
パテシィエ
「お久しぶり、華音君」
「どれを選ぶのかなと思っていたけれど、やはり歴史の古いデザートだね」
華音は、にっこり。
「こちらこそ、お久しぶり、お逢い出来てうれしいです」
「ピーチメルバは、100年以上前の超高名なシェフがオペラの歌姫ネリーメルバのために創作したもの、その華やかな甘さにロマンを感じます」
「ただ、他の女性たちが選んだスイーツも、全て最高級の素材と腕、お客様への思いやりに満ちたもの、感謝して食べさせていただきます」
そんな華音の話を聞いて、雨宮瞳は思った。
「華音君は、お菓子にも詳しいのか・・・」
「そうなると・・・学園の女子どもには、決して知らせてはならない」
「下手に知られてしまえば、華音君を引き連れて、デザート店の食べ歩きなどされかねない」
エレーナは、ますます気合が入った。
「確かに、ここのホテルのスイーツの質は高い」
「しかし、私とて、ルーマニアを中心として、ヨーロッパのお菓子では負けることはない」
ただ、「華音の彼女」を自認する瞳とエレーナ以外の、お姉さまたちは、食べることに夢中になっている。




