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剣道場に向かう華音と、瞳

午後の授業も平穏、静穏のうちに終了、三田華音は鞄を持ち、立ち上がった。

雨宮瞳も、即座に立ち上がる。

「華音君、剣道部に行くの?」

聞いてみるけれど、少し不安。


しかし、華音はにっこり。

「はい、何とか一人で行きます」

「お昼にお話したことを、同じに話すだけなので」


雨宮瞳は、キュンと寂しい。

「え?いいの?場所わかる?」

「ついていかなくていい?」

本音はついていきたくて仕方がない。


華音は笑って首を横に振る。

「雨宮さんは、テニスの練習もあるでしょうから」

「二日連続で、練習を休ませるわけにはいきません」

まったく当たり前のことを言ってくる。


雨宮瞳は、頷いた。

「う・・・うん・・・」

でも、寂しい、華音の言葉が当然としても、寂しいのである。


その華音は、そんな瞳に、

「じゃあ、練習、頑張ってください」

と、言い終えて歩き出してしまった。


ただ、その華音と瞳の状況はともかく、華音は廊下に出るなり、たくさんの学生に囲まれる。


「ねえ、華音君、剣道場に行くの?」

「危なくない?」

「竹刀持たされるかも」

男子生徒からも、女子生徒からも、囲まれている。

どうやら、朝の廊下での話、お昼の学食レストランでの話が広まっているのだろうか。


華音は、ニコニコしている。

「そうですね、先輩方との約束だから行きます」

「危なくはないと思いますよ」

「話せばわかる話ですし・・・竹刀ねえ・・・」

「持たされれば・・・持つかなあ」

「ただ、だからといって、剣道部にも入るわけではないので」


そんな華音に、また声がかかる。


「ねえ、私たちもついていっていい?」

「もしかして竹刀持ったら見たいしさ」

「というか、見たい人が多いみたい」

「なんたって、中学日本一だもの」

・・・・・

とにかく大騒ぎになっている。


華音は、少し困ったような笑い。

ただ、歩みは続ける。

その華音の後を、大勢の学生たちがついていく。


雨宮瞳は、思った。

「うわ・・・マジ?」

「じゃあ、私って、何なの?」

「私は、いらないって、華音君に言われちゃったし」

雨宮瞳は、寂しさのうえに、ショックまで加わった。


そんな落胆状態で、テニスコートに向かう雨宮瞳に、クラスメイトから新たな情報が入った。


「瞳ちゃん、学園長と萩原担任と、保健の三井先生も、剣道場に向かったみたい」

「何かあるのかな、危ないのかな」


雨宮瞳は、もうドキドキが激しい。

とても、この状態では、テニスの練習どころではない。


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