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華音と柳生事務所はヘリにて不穏な鎌倉へ

華音の言葉通り、不穏な情報が鎌倉の警察から、もたらされた。


50人程度の男が全員、黒革ジャン、リーゼント、黒ヘルメット、黒サングラス姿、ハーレーなどの大型バイクに乗り、江の島鎌倉方面に向かっていること。

しかし、ただ、それだけでは、特に「不穏」とは決めつけれれない。

その「不穏」を感じてしまうのは、全員が20リットルの黒色の灯油缶を積んでいること。


柳生清に再び、鎌倉警察からもたらされた情報では、

「50人も列をなして江の島の同じガソリンスタンドで灯油を給油したこと」

「それを不審に感じたガソリンスタンドの従業員が理由を尋ねたところ、ハンティングナイフで脅され、逃げようとしたら、金属バットで思いきり叩かれたこと」

「そして結局灯油代金は支払われなかったこと」

だった。


柳生隆が分析をする。

「統率の取れた組織」

「しかし、ガソリンスタンドの従業員を脅し、叩く」

「代金を踏み倒すなど、かなり悪質性もある」

「目的は、華音の言う通り、おそらく鎌倉市街、というよりは小町」

「観光客の雑踏、そして大量の灯油、バイク・・・」

「・・・となると・・・無差別放火テロか・・・」


柳生隆をはじめとして、周囲全体に緊張が走った。


華音が、再び口を開いた。

その口ぶりは、冷静。

「まずは永田町で事故を起こした人を止める必要があります」

「おそらくその集団のリーダー格と推測します」

「バイクの技術が高くなければ、あんな煽り事故を誘発できない」

「だから技術の高さゆえリーダー格・・・集団はリーダーの指令にて動くはず」

「何故、永田町と鎌倉で事件を決行するかは、現時点は不明ですが」

「ただ、特に大掛かりな作戦決行になれば、統率された組織は、リーダーの到着を待ちます」

「勝手な行動はしないはず」


そこまで話して、華音は柳生清に尋ねる。

「ヘリはありますか、なるべく早いヘリ」


柳生清が驚いたように頷くと、華音が強く迫る。

「乗せてください、もはや時間がありません」

柳生清の承諾も即時だった。

「わかった!頼む!」


その言葉と同時に柳生隆、井岡スタッフ、華音はエレベーターに向かってダッシュ、そのまま乗り込んでいく。



その華音の背中を見送った柳生清は舌を巻く。

「分析力、決断力は、実に正確で速い」

「問題解決に最善の策を即時に決定する」


女性スタッフ陣も、またしても驚きを隠せない。

松田スタッフ

「今のままでも、柳生事務所のスタッフになれるよ、もう一員」

黒田スタッフ

「瀕死の人を救うだけでも、人智を越えた御力を使ったのに・・・まだ体力も気力も尽きない・・・」

吉田スタッフ

「まさに動く生き仏だよ」

ただ、女性スタッフの言葉も、そこまで。


柳生清が残りのスタッフ全員に指示。

「我々も、もう一台のヘリで鎌倉に飛ぶ」

「とても現地警察では対応しきれない」

「華音君とて、テロ封じに精一杯のはず」

「何より、苦しみ哀しむ人を、少しでも減らそう」


柳生清の指示により、柳生事務所スタッフ全員が、鎌倉に飛ぶことになり、ヘリに乗り込んだ途端、また別の情報が入った。

松田スタッフのスマホにメッセージだった。

「松田明美、今西圭子、シルビア、春香、エレーナも鎌倉に向かいます」


特に小島スタッフと小久保スタッフは、「渋い顔」になっている。

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