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柳生事務所ビルを見学(3)

柳生事務所ビル見学は、6階に移った。


小久保スタッフ。

「これは見ればわかるよね、トレーニングルーム」

その説明通りに、ありとあらゆるトレーニング機器が並んでいる。

最新式の機器が多く、壁にはロッククライミングの設備。


華音は面白そうな顔。

「全部、試してみたい。ロッククライミングも懐かしい」


小久保スタッフは、少し笑う。

「そうよね、華音君、霧冬先生の指導で、いろいろだったよね」

「でもロッククライミングは機器ではなくて、本物だよね」


華音は素直に頷く。

「はい、木登り、山登り、岩面登り、崖登り、なんでも」

「最後は、ほとんど命綱もつけずに」


華音は、もう少し機器を見たかったけれど、小久保スタッフと5階フロアと向かう。

5階フロアの看板は「柳生医療所」との墨書。

ここでも変わらず、大きな一枚板の看板。


小久保スタッフが説明。

「内科、皮膚科、外科・・・なんでも対応する第一級の医師と看護師、設備があるよ、東洋医術の先生もいる」

華音は質問。

「一般の客の診療は?」

小久保スタッフは首を横に振る。

「うーん・・・それはないよ、あくまでも極秘を要する特定の患者と、私たちかなあ、生傷もあるからね」

「もちろん、華音君に何かあれば、ここで対応します」

そこまで言って、小久保スタッフはまた笑う。

「でも、華音君に傷を付けられる相手も少ないしねえ・・・」

「本気の霧冬先生か・・・今は華音君のほうが霧冬先生を倒しちゃうしね」

「それに華音君には、お薬師様のお宿りがあるから」


華音もそれには笑顔。

「はい、不思議に身体は丈夫なんです」

「風邪もひかず、傷もすぐに治る」

「便利といえば便利な身体と思っています」


4階は、その医療施設に伴う入院施設。

小久保スタッフが説明。

「5階で診療を受けた患者様が入院する、当たり前だけれど」

「その中で、様々な治癒の促進のために、技術を尽くす」

「世界各地の最新技術を使った治癒促進もあるし、日本古来の薬草を使った技術もある」


華音は、そこで懐かしそうな顔。

「そういえば、霧冬先生と山歩きをしていて、そんな薬草を摘んだことを思い出しました」

「先生は、格闘も強いけれど、まるで薬草博士でした」


その華音をクスッと笑い、小久保スタッフは3階に誘導。

墨書一枚板の看板には、「柳生薬草研究所」とある。


華音は、ここに入っても、興味津々、目が輝く。


小久保スタッフ

「ありとあらゆる薬草を揃えてあるよ」

「薬草研究所でもあるし、薬局でもある」

「細かい説明は省くけれど、ここにも薬草知識と薬学の第一級の先生方が揃っています」


次に小久保スタッフが華音を誘導したのは、2階ではなく、1階。

そして華音の目に入って来たのは、再び一枚板の看板、そして「柳生教会」の墨書。


「ここに教会?」

華音は、首を傾げている。

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