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柳生事務所地下駐車場に入る。

柳生事務所の車は、いつのまにか永田町を走っている。

国会議事堂もすぐ近くに見える。

井岡スタッフが話題を変えた。

「まあ、江戸時代は目黒に道場があったけれど」

「今は永田町さ、霧冬の祖父さんが決めた」


華音は素直に納得。

「そうですね、総理とかVIPを警護するには都心に事務所があったほうがいい、目黒では遠すぎる」


目の前に超近代的な雰囲気を持つ高層ビルが見え、柳生事務所の車は、そのビルの地下駐車場に入って行く。


小島スタッフが説明をする。

「車のナンバーが合致しているだけでは入庫できないの」

「運転手の顔も詳細かつ瞬時にに識別するシステム」


地下駐車場のゲートが開き、華音たちの車は、かなり広い駐車場に入った。

その駐車場に停車している車両は大型が10台程。

かなりな高級車もあるし、コンテナ車、大型トラックも別に数台ある。

車両以外にも、大型バイクも10台。

電動と思われる自転車も数台。


華音は、少し疑問。

「あまりきれいではない軽トラックと軽バンが何台かあるけれど」


井岡スタッフがニヤッと笑って答えた。

「捜査の中で、農家風に変装することもある」

「全国各地の方言も勉強するよ」


松田スタッフもニヤニヤ。

「私だって、農家のお母さん風になるよ、案外面白い」

小島スタッフも笑う。

「あの軽トラにね、目一杯にお芋とかキャベツとか乗せて、農道を走るし、県道、国道も走るよ、誰も探偵とか弁護士事務所とか、気がつかない」


華音は、また質問。

「そうすると大型バイクは、渋滞をすり抜けるため?」

「それと電動自転車は、狭い道を進むためかな」


井岡スタッフは頷きながら、地下駐車場の中を先導して歩き、ビル入り口に到着。

ここでも顔認証にて、ビル入り口の扉が開く。


華音はそれが面白くてしかたがない様子。

「さすがセキュリティですね、すごいなあ」


そんな華音に小島スタッフが、また身体を寄せる。

「後で華音ちゃんも登録するよ、ここには顔で入れるようになる」

「もちろん車はまだ運転できないから、華音ちゃんは正面玄関からね」


華音は、「小島さんの胸が当たっている」と思ったけれど、「偶然である」と思うことにして、素直に頷くのみ。

井岡スタッフの後に続いて、エレベーターに乗り込む。


華音は、ここでも質問。

「あの、エレベーターだとかなりの階があるけれど、20階?」

「柳生事務所の他には?」


松田スタッフが答えた。

「いや、全部、柳生事務所のビル」

「様々な機能を持ったフロアがあるよ」

「それも、全部、説明する」


華音は、またしても「へえ・・・」と面白そうな顔。


その華音の腕を小島スタッフが、ぐいと組んだ。

「ガキンチョ娘のシルビアと春香、エレーナもそうかな」

「今西圭子と松田明美の華音ちゃん取り合いバトルから逃げたかったら、いつでもおいで」


華音が「え?」と不思議そうな顔をすると、小島スタッフがクスクスと笑っている。


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