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華音はようやく「東京一人歩き」ができるかもしれない。

華音の「イエスと地蔵の似ている説」に、今西圭子がまず反応。

「そやなあ、両方とも人々を癒す、希望を与える、イエスの最後の審判、地蔵は閻魔大王の別の姿とも言われとるしな」


松田明美も、フンフンと頷く。

「たまには圭子もまともなこと言うもんやな、でもイエスも地蔵さんも、人を癒すから人気ばあるんやし、それでいて厳しくするところはキッチリとする」


そんな反応の中で、シルビアと春香は、イマイチ気に入らない様子。

シルビア

「午前中から源氏やら神話やらで、華音は超面倒」

春香はムッとしている。

「頭の中の筋がねじれそうや、時々、メチャ真面目やな、華音って」

シルビア

「何が地蔵や、華音が小さな頃は、華音自身がクリクリ坊主で地蔵さん」

春香

「そのクリクリ坊主をなでなでするとな、笑うんや、いつも」


エレーナは途中から、シルビアと春香の会話に興味を持った様子。

「へえ、華音君って、坊主頭だったんですか?」

「それも可愛いかも」


するとシルビアと春香は、互いに目くばせ。

「えへへ、写真持ってる」

春香

「見せちゃお」


エレーナの目がまた輝く。

「見たい!」


地蔵とイエスの難しい話をしていた今西圭子と松田明美も、その面白そうな雰囲気に、気が移る。

今西圭子

「そういえば、私のPCにな、華音ちゃんの秘蔵写真があるんや」

「生まれたての頃からあるよ」

松田明美も、負けない。

「風呂上りの全裸写真もある」

「お尻の呪印もクッキリのもある」


エレーナの顔は、さらに輝く。

「わーーー!それは楽しい、面白そうです!」



さて、華音は真面目な話から、「あらぬ方向」に変わってしまったことに困惑。

「あのさ、そんな子供の頃の写真を見て、何が面白いの?」

しかし、華音がそんな反発をしたところで、お姉さまたちには多勢に無勢なことは、華音自身がよくわかっている。


華音は、そこで思った。

「まあいいや、子供の頃の写真だし」

「そんなの見られて笑われても、どうでもいい」


そして、とある事に気がついた。

「その写真をお姉さんたちが見ている間は、僕は見る気もないから、自由にできるのでは」

「となると、東京の一人歩きができるかもしれない」

「まあ、柳生事務所はどこかで見張っているかもしれないけれど」

「でも、お姉さんたちみたいに、我がままは言わない」

華音は、そのままスマホで柳生事務所に、その旨を連絡している。


柳生事務所からは、即時に「了解、それから事務所に寄って、伝えることがある、なるべく一人で」の連絡。

それを受けて、華音は「まさに好都合」と、お姉さまたちに声をかけた。

「午前中の源氏と神話の関係」

「午後はお地蔵さんの掃除、ありがとうございました」

「これからは、夕食までご自由に」


すると今西圭子。

「華音ちゃんは、写真見ないの?」

「みんなで見るんだけど」


華音は、首を横に振る。

「ちょっと柳生事務所に出かけます、何か用事があるみたい」

「柳生事務所もなるべく一人でとのことなので」


華音は、そこまで言って、慎重にお姉さまたちの表情をうかがっている。

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