エレーナのルーマニア概況説明と絶品茄子のペースト
華音たちが、食堂に入ると、ルーマニア大使館員でもあるエレーナがルーマニアという国について、説明を始めた。
「まず、ルーマニアは中央ヨーロッパの南東にあります」
「近隣諸国としては、ウクライナ、モルドバ共和国、ハンガリー、ブルガリア、セルビア」
「面積は日本の本州と四国を合算した程度」
「人口は約2,012万人、人口構成としてはルーマニア人が90%、ハンガリー人が6.5%、その他がロマ民族、ウクライナ、ブルガリア、トルコ人といったところです」
「宗教としてはルーマニア正教が86.7%、プロテスタント5.3%、カトリック4.7%ぐらい」
「公用語はルーマニア語、ラテン系でイタリア語などとよく似ています」
「気候としては、温帯・大陸性気候」
「山地が31%、36%が高原と丘陵地、33%が平地で南東に黒海に面しています」
「山としてはカルパチア山脈が国の中央に、一番高い山はモルドブェヌア山で2,544m」
「またドナウ川が黒海に流れ込む前に、三つの分流に分岐して自然そのものの三角州を形成していて、ドナウ・デルタとして世界自然遺産となっています」
「首都はブカレスト」
「ブラショフにかの有名なドラキュラ城があります」
「またブラショフと武蔵野市は交流関係を結んでいます」
エレーナは、そこまで話をして、食堂に集まった全員に頭を下げた。
「ごめんなさい、美味しい料理を前にして、長々とお話を」
そのエレーナに華音が微笑みかける。
「いえいえ、武蔵野市と交流があるとまでは知りませんでした」
「そうなると、御縁があるということ」
「エレーナさんのお話はルーマニアと言う国を代表しての紹介、当たり前です」
「ただ、遠い異国と思っていたのですが、武蔵野市との話から途端に近く感じてきました」
その華音の笑顔を見て、エレーナはホッとした顔。
「それでは、ここに並べられた料理を通じてまた、ルーマニアについて説明をしようと思います」
「まず、オードブルからです」
エレーナはオードブルの説明を始めた。
「最初は、茄子ペーストのサラダです」
「材料は茄子、卵黄、玉ねぎ、ひまわりオイル、塩だけ」
「強火で焼いた茄子を一旦冷やしてミキサーでペースト状、フワフワにしてボールに入れてオイル、卵黄、みじん切りした玉ねぎ、塩と混ぜ合わせるだけ」
「パンに乗せてトマトと食べるのが主流です」
と言いながら、全員の取り皿にパンとトマトを添えて取り分ける。
シルビアが、その茄子ペーストだけをそのままスプーンで取り、口に入れる。
途端に目がパッと開く。
「え?マジ?これ・・・茄子?美味しい、こんな食べ方が・・・・」
春香もシルビアに続く。
「ほーーー・・・これは・・・知らなかった茄子の味、でもメチャ食べやすい」
その後は、雨宮瞳も文学研究会も続く。
雨宮瞳はニコニコしている。
「へえ・・・ほんと美味しい、食べやすい、簡単そう、毎日食べられる」
長谷川直美
「ヘルシーなんだけど、茄子のコクもある」
花井芳香
「朝ご飯にピッタリって感じ」
佐藤美紀
「焼き茄子と煮た茄子しか食べたことなかったけれど、まさかのペースト・・・これは新発見だなあ」
志田真由美
「またパンとトマトと合わせると、グッと美味しさが増す、いろいろアレンジもできそう」
華音も美味しいらしく、ムシャムシャと食べている。
エレーナは、そんな食べる姿にホッとしたようで、次のオードブルを全員の小皿に取り分けている。




