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学園長室内の重苦しい雰囲気と、その原因

学園長室は重い雰囲気に包まれている。

特に柔道部顧問小川は、その顔を下に向け、全く上げることができない。

何しろ、自分が借金返済を催促され、感情に走って華音を無理やり柔道部に入れようと動いたことが、とんでもない事実を自供することになってしまった。

借金の使途はギャンブル代金、そしてスポーツ用品メーカーからの仲介手数料受領、学園教師にあるまじき、いかがわしい店での接待、おまけに写真まで撮られているのだから。


吉村学園長の責めは厳しい。

「きれいなお姉さんに酒を飲まされ、身体を押し付けられ、いい気になって・・・」

「学園の方針では止められている華音君の格闘関係への入部と、大会出場をスポーツ用品メーカーに約束してしまったと・・・」

「その約束の前金で、いくらもらったの?」


柔道部顧問小川の肩が、ブルブルと震える。

「・・・申し訳ありません・・・100万円です」


吉村学園長は呆れ顔。

「小川先生、処分の対象になるよ、わかっているでしょ?」


柔道部顧問小川の肩の震えが止まらない。

「教員業務規程に違反していることは・・・認めます・・・」

すでに涙声になっている。


しかし吉村学園長は厳しいまま。


「いい大人の男が・・・泣けば許してくれるとでも思っているの?」

「その甘さが、こんな事件になるの」

「いい?わかるでしょ?あなたのことだけでは済まされないの」

「華音君が、ここの学園にいるってことが、マスコミに知られれば、他の学校にも知られるの」

「しかし、華音君は、格闘部に入る意思もない、学園もそうはさせない方針」

「そうなると、他の高校は、なかなか納得しない」

「闇に紛れて華音君を襲うこともある」

「華音君を誘い出そうと、他の生徒を人質にすることもあるかもしれない」

「二次被害、三次被害まで想定されてしまうの」

「それも考えての、華音君情報の秘密化を決めてあったのに・・・」


柔道部顧問小川は、放心状態で、もはや声も出ない。


学園長室が、重い雰囲気に包まれる中、ドアがノックされた。

そして吉村学園長の「お入りに」との言葉で、3人の男性が入ってきた。


吉村学園長は、下を向き続ける柔道部顧問小川に声をかける。

「小川先生、お知り合いの方では?」


その声で、柔道部顧問小川は、ようやく顔を上にした。

すると、まるで何かに弾かれたかのように、ソファから立ち上がる。


「柳生清先生!それから隆君!」

「あ・・・橋本君まで・・・」

「本当に申し訳ありません!」

どうやら、知己らしい。

そして、恥ずかしい事実を知られていると理解したのだろう。

本当に頭が膝につくくらいに、頭を下げる。



柳生清が、柔道部顧問小川に声をかけた。

その言葉は厳しい。

「小川君、とんでもないなあ」

「程度の悪い連中に簡単に引っかかるなど・・・実に情けない限りだ」


柳生隆は、それでも冷静。

「まあ、事実関係を一つ一つね、こちらも調べたこともあるし」

「とんでもない連中さ」


橋本スタッフも厳しめ。

「小川先輩、ヤバイよ、あいつら・・・」

「スポーツ用品メーカーだけでない、闇金もついている、学園も危ない」

「マスコミと闇金のタッグは危険だ」


学園長室は、ますますの重苦しい雰囲気に包まれている。


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