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華音の挨拶、自己紹介は定番だったけれど・・・

三田華音は、まずクラス全員にゆっくり、ていねいにお辞儀。

そして、再び姿勢を正し、


「おはようございます、そして、はじめまして」

「三田華音と申します」

「本日から、皆様と一緒に、この学園、このクラスにて、学ばせていただきます」

「何分、不慣れなことが多くありますので、何かとご迷惑をおかけすると思いますが、よろしくお願いします」


との自己紹介、そして挨拶をする。

自己紹介、挨拶の内容としては、「全く定番、面白くも何ともない」もの。


しかし・・・その自己紹介、挨拶を受けた学生たちは、まず硬直状態、そしてざわついている。


「ねえ・・・あの華音君の顔、光っている」

「うん、超美人だよ、確かに可愛いというより美人」

「背は高くなく、低くもない」

「太ってもいなく、やせてもいない」


「・・・普通の挨拶だよね・・・」

「そう、定例文句・・・」

「でもさ、引き付けられた・・・全部、聞いた」

「なんか、落ちついていて、やさしくて癒し系の声」

「もっと、話してもらってもいいなあ、あの声なら」


少々ざわついた中、誰かが拍手を始めると、全員がそれにならう。


すると、三田華音は、恥ずかしそうな笑顔。

「拍手、ありがとうございます」

「とても、うれしいです」

と、またしても、やさしげな声。


すると、またクラス内がざわつく。


「・・・笑うと、可愛い」

「ほんと・・・あらーーー・・・ドキドキする」

「大口開けて笑うタイプじゃないね」

「お上品系の男の子だ」

「あの子と、デートしたら、私もお上品になるかも」

・・・・よくわからない反応も女子学生たちには出てきている。


そのようなざわついた中、萩原担任が再び教壇の中央に立った。

そして、クラス委員長の雨宮瞳に声をかけた。


「華音君の席は、取りあえず、雨宮さんの隣」

「まずは、雨宮さん、華音君が慣れるまで、教えてあげてください」


萩原担任は、次に華音に、

「それでは、華音君、雨宮さんの隣に」


華音は、萩原担任に、小声で「はい・・・」と答え、雨宮瞳の隣まで歩き、しっかりと頭を下げ、席についた。


萩原担任は、また教壇で

「それでは、本日のホームルームはこれにて、おしまい」

「それぞれ、一限目の授業の準備を」と話し、教室を後にした。


すると、また教室がザワザワ、と言っても、転校生の華音への質問が集中することになる。


「ねえ、華音君、どこからなの?」

華音「はい、奈良からです」


「奈良の生まれなの?」

華音「はい、西の京って言って、薬師寺とか唐招提寺の近く」


「へえ・・・歴史古いねえ」

華音「そうですねえ、確かに相当古い地域です」


・・・などなど、普通と言えば普通、スンナリと言えばスンナリと話が続いていく。

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