華音たちの目覚めと、恋人公認?
朝になった。
目覚めた華音の顔は、春香の胸の中にある。
後ろから華音を抱いているのは、シルビア。
これでは、華音は、なかなか身動きができない。
華音が困っていると、春香の吐息が少し変。
「はぁ・・・華音、メチャ気持ちいい」
「やはりな、朝は華音をムギュするのが楽しみや」
後ろからはシルビアの声。
「春香、明日は私ね、約束だよ」
華音は、顔を動かして、「え?何?それ?」と言おうとしたけれど、無理だった。
春香
「動かない!もう少しこのまま、気持ちいいから」
シルビアは、華音の背中に豊かな胸を押し付ける。
ますます困る華音の耳に、今西圭子と松田明美の声が聞こえてきた。
今西圭子
「しかたないなあ、やはり朝は薬師三尊の合体だね」
松田明美
「でも、夜はたくさん、ムギュしたから」
今西圭子
「うん、華音ちゃん、可愛い」
松田明美
「抱いて寝ると、日頃の憂さがサッパリ消える」
今西圭子
「それにね、一日中身体が温かい、冷え性なくなった」
松田明美
「まさに趣味と実益だ」
華音は、そこで思った。
「僕の気持ちはどうなるの?たまには一人静かに眠りたい」
しかし、こうも思う。
「多勢に無勢だ、逃げられそうにないし」
「こんな生活が、続くのかなあ」
さて、そんな朝の一時を経て、華音とお姉さんたちは、お屋敷で純和風朝食。
その後は、それぞれの学園、仕事に出かけることになる。
華音の一行が、久我山駅につくと、雨宮瞳が笑顔で手を振っている。
華音は、やっと安心した顔。
「あ、瞳さん、おはようございます」と頭を下げるけれど、後ろのお姉さまたちから、助言やら苦言やら観察やら。
シルビア
「華音が先に、手を振らなければ」
春香
「瞳ちゃんは、それを期待して毎朝待っているの、イマイチ気が利かない」
今西圭子
「瞳ちゃんは、華音の恋人としては最適、吉祥天の呪印持ち」
松田明美
「うん、確かに透けて見える」
華音が一歩前に出ると、雨宮瞳が駆け寄ってくる。
そして、お姉さまがたにキチンとしたお辞儀をする。
ただ、松田明美とは初対面なので、華音が紹介する。
「この女性は、松田明美さん、僕の遠縁」
雨宮瞳は、また深くお辞儀。
「雨宮瞳と申します、華音君のクラスメートです」
松田明美は、そのお辞儀と挨拶に、にっこり。
「はい、松田明美と申します」
「それにしても、瞳ちゃん、可愛いわねえ・・・」
「クラスメートなんて言わないでいいよ」
「華音ちゃんの彼女になってくれてありがとう」
華音と雨宮瞳は、その言葉で全身が真赤。
今西圭子、シルビア、春香は手を打って、大笑いになっている。




