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絶品上海焼麺!お姉様たちは、様々

神田神保町の超老舗中華料理店から出張してきたシェフが、華音と松田明美を見て、にっこり。

そして、店の紹介を始めた。

「私のお店は、明治39年が創業です」

「西暦で言えば、1906年、ですから今年で113歳となります」

「基本的には上海料理なので、新鮮な魚貝類と野菜を使った、あっさりとした中華です」


華音たちが、モリモリと食べていると、小籠包子に続いて上海焼麺、が登場。

食べたことのない今西圭子、シルビア、春香は興味津々。

今西圭子

「なんか、ゴテゴテしていない、シンプルな焼麺」

シルビア

「焼麺の上に、豚肉、玉ねぎ、もやし、キクラゲだけ?」

春香

「でも、香ばしいなあ」


華音が久しぶりにお姉さんたちをリード。

「食べてみようよ」

松田明美は、すでにモグモグ状態。

「うん、これ、大好き、飽きが来ない」


松田明美も、日頃の明美との敵対関係は忘れたのか、つられてモグモグ。

「う・・・マジで美味しい、ほんの少し醤油味かあ・・・ゴテゴテの油ではない」

シルビアは、モグモグを超えてムシャムシャ状態。

「やばいくらいに美味しい、箸が止まらない」

春香は、口いっぱいに頬張る勢いで食べる。

「やみつきになる、この味」


そんなお姉さんたちに、超老舗中華シェフが説明する。

「一度味付けをして焼いた麺を寝かせて、注文が入った時に、もう一度焼くことによって、さらに味が良くなります」

「かの池波正太郎先生が大好きで、私どもの店に来られた時は、この上海焼麺」

「そしてシューマイをみやげとされていたそうです」


華音が、そのシェフに会釈して、話し始めた。

「東京の祖父さんに聞いたんだけど、冷やし中華の発祥店なんだって」

「それも昭和の初期らしい」


お姉さんたちが「へえ・・・」とした顔をしていると、またシェフが説明をする。

「その通りです、日本の夏が暑いということで、二代目の店主が神田の老舗そば屋に通って、冷たいもりそばをよく食べていたとのこと」

「そして、中華料理は、どうしても熱い料理」

「それを、もりそばのように、暑くても食べられる中華料理を作りたいと考えて、試作に試作を重ねたのが、現在にまで残る冷やし中華の原型なのです」


またしてもお姉さんたちが「へえ・・・」となっていると、シェフ。

「池波先生は、この冷やし中華も好きで、日本酒を飲みながら、食されたそうです」


すると松田明美と今西圭子が、顔を見合わせる。

松田明美

「ふむ、冷やし中華と日本酒ねえ・・・」

今西圭子

「試す価値あり」

松田明美

「大人の特権やな」

今西圭子はニヤリ。

「こればっかりは、ガキどもには・・・可哀想だけど・・・」


華音は、「何?この人たち・・・年増って言われた腹いせ?」と呆れるけれど、シルビアと春香はまた反発。

シルビア

「ああいう意地悪な女どもは、私たちより早く干からびる」

春香もきつい。

「どうせ年増で消化力が弱っているから、酒の勢いで食べ過ぎて、曲がり角の肌がもっと荒れるだけ」


華音は呆れて、途中からお姉さんたちの話には耳を貸さないことにした。

ただただ、デザートの杏仁豆腐を食べることに専念している。

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