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当面の対策決定、その後、会議室には別の緊張感

重苦しい雰囲気の中、柳生清が結論を出した。

「そうなると、華音君の通学で使う井の頭線の徹底監視」

「井の頭線の点検をする関係の技術職、駅員まで含めて、内部探索」

「少しでも異常な動きがあれば、徹底追及」

「それ以外の通学路の身辺警護は、井岡スタッフに」


会議室の誰も、異存がなく、会議は終了した。

華音が柳生事務所に声をかける。

「本当に助かります」

「僕のことまで守っていただいて」


柳生隆が、華音の肩をポンと叩く。

「いや、当たり前さ、大切だもの、華音って」

「守りたくなる」


華音は、恥ずかしそうな顔をして、再び柳生事務所に声をかけた。

「よろしかったらお食事でも」


しかし、柳生事務所全員が首を横に振る。

ずっと話を聞くだけであった立花管理人が、華音に説明をする。

「はい、柳生事務所様には全員折り詰め弁当を用意してございます」

「これから、様々な対テロ準備作業があるとのことで」


柳生清が華音に会釈。

「一緒に食べたいのは、本音だけれど、作業が多くてね」

華音も素直に納得した。

「はい、そういうことであるならば」



柳生事務所が、会議室を出ていった後、松田明美は残っている。

華音は不思議顔。

そして、無神経な言葉を放つ。

「あれ?明美さんは、準備はないの?」


松田明美は、ムッとした顔。

そして華音に文句。

「あのさ、私は華音ちゃんの警護を、ここのお屋敷でもするようにと、上司から言われているの」

「いい?わかる?」

「私は国家公務員なの、その私の上司の命令だから、国家命令なの」

「それを何だと思っているの?」


華音がシュンとなるほど、きつい口調。

何時の間にか、立花管理人は姿を消しているし、華音をフォローする人は会議室にはいない。


それでも、華音はようやく返事というか反発。

「そんな警護いりません」

「僕にコトワリもなく、国家命令って、何事?」


次の瞬間、松田明美がサッと華音の前に立った。

そのまま、両手で華音の頬を包み込む。

「華音ちゃん、いい加減になさい」

「どうして私の前で素直でないの?」

「今西圭子の方が好きなの?」

「あんなの胸が大きいだけでしょ?」

「華音ちゃんって、胸フェチ?」


華音は、返事に困った。

というか、「胸フェチ」の意味そのものがわからない。

「うーん・・・明美さんの手の力が強くて・・・口が開けない」

と言うのがやっとの状態。


しかし、松田明美は、そんな華音が面白い。

「マジでイジリたくなってきた」

「この困った顔が、メチャ可愛い」

「キスしたくなった」

「押し倒してもいい」


会議室には、対テロ対策とは別の緊張感が漂っている。

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