表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
117/500

華音にお礼と拍手のため、全部活動が休止

華音と萩原担任は、職員室の前で、一旦別れた。

そして、鞄を取りに行くため、教室に戻ろうと廊下を歩いていると、廊下を歩いている生徒たちや、教室からもたくさんの生徒が出てくる。


華音が驚いていると


「華音君!ありがとう!」

「やっと、安心して学園に来られる!」

「華音君に来てもらってよかった!」

「あ!顔が赤くなった!可愛い!」

「ねえ、不良退治記念パーティーしようよ!」

「その後、私とデートね!」

「だめ、一人占めは禁止!」


ますます華音が顔を赤らめるような声がかけられ続ける。


華音は、そこで思った。

「そこまで篠山さんと、そのお父さんのことが、みんなの心に重かったんだ」

「それはそうだよね、何をしかけてくるか、わからない人らしいし」

「不安の中で、学生生活もなあ・・・」


ただ、少々の懸念もある。

「篠山さんも、そのお父さんも、従業員も反省してもらわないと」

「今、進んだのは学園から排除したってだけ」

「問題は、それからなんだけれど」


華音は柳生隆のことを思った。

「隆さんのことだから、あちこち聞きこみ調査をして、いろんな事実を暴いてしまう」

「世の不正を糺すと言えば、そうなんだけど」


その次に浮かんだのは篠山のこと。

「篠山さんか・・・」

「育った環境なのかなあ」

「人を苦しめて喜ぶ、優越感に浸る」

「あれだけ犯罪事実が明確になれば仕方がないけれど」

「・・・反省がないと、救いもないのかな・・・」


華音は、そんなことを思いながら、廊下を歩くけれど、いろんな生徒から拍手や、声かけ、中には握手を求めてる生徒もいる。


「ありがとうございます、喜んでいただいて・・・」

華音は、丁寧に、全ての生徒に頭を下げたり、握手には握手で応えて教室に戻った。


すると、華音は驚いた。

信じられないことだけど、クラスの全員が教室に残っている。

華音は、頭を少し下げ、全員に声をかけた。


「あの・・・みなさん、部活動は?」


雨宮瞳が立ち上がって、状況を説明。

「学園の生徒全員が、華音君にお礼の言葉が言いたくて、生徒会長が各部の顧問と相談して、全部活動は休止」


華音がまた驚いて、窓から見えるグラウンドを見ると、確かにいつもグラウンドを使っている野球部の姿がない。

しかし、華音は戸惑っている暇はなかった。


教室内でも、全ての生徒から拍手と、歓声。


「ありがとう!華音君!」

「みんな、表だって口には出さなかったけれど、篠山さんが嫌で」

「でも、怖くて泣き寝入りしていて」

「剣道部も空手部も、篠山さんの陰険な仕返しを怖がって、知らぬ存ぜぬだし」

「それを華音君が解決してくれたの」


華音は、「そこまでだったんだ」と思い、また全員の生徒に頭を下げ、笑顔を見せる。

そして、また大きな拍手を受けている。


そんな華音を見て、雨宮瞳は複雑な思い。

「ますます・・・華音君を独占できないって・・・これだと・・・」

雨宮瞳は、華音の笑顔に眩しさを感じるけれど、少々の切なさも感じている。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ