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VS柔道部副主将篠山(2)

吉村学園長、空手部顧問松井、それから柔道部顧問の小川も、教室にかけつけてきた。

そして、首を絞めている篠山、絞められている剛、その前に少し離れて立つ華音を確認。


まず、柔道部顧問の小川が怒った。

「おい!篠山!やめろ!」

空手部顧問の松井も、かなり怒っているけれど、まだ、我慢している様子。

吉村学園長は、華音の様子を見ている。


篠山は、反論する。。

「小川顧問、これは正当防衛なんです」

「このアホの剛が、ものすごい目で睨み付けて来るから」

「もう、殴ったり蹴り倒したりでもするかのような目」

「このアホの剛は直情型で、身の危険を感じたんです」


「本当にそうなのか?」

空手部顧問松井が、剛に顔を見るけれど、篠山に首を絞められているので、とても答えようがない。

しかし、少々離れて見守っているクラスメイトからは、疑問の声。


「そんなことないって」

「篠山君が一方的に剛君に絡んだんでしょ?」

「ネチネチと、ずーっと・・・」

「華音君にぶっとばされる空手なんて、オチャラケとか」

「あんなこと言われれば、誰だって怒るって」

「剛君、少し怒った顔になったけれど、手出しはしてないって」

「最初に、ペットボトルのコーラを投げたのは、篠山君でしょ?」


クラスメイトたちの反応は、どうやら篠山の反論に、否定的な様子。


ますます怒って篠山を制しようとする柔道部顧問小川が前に出ようとするけれど、吉村学園長は、それを制した。

「大丈夫、華音君にまかせて」


けげんな顔をする柔道部顧問の小川と空手部顧問松井であったけれど、吉村学園長は、落ち着き払っている。


ずっと黙っていた華音は、少し前に出た。

「どうやら、口で言っても、理解してもらえないようなので」

華音は、厳しく篠山の瞳を見つめる。


すると篠山が騒いだ。

「おい!近づくな!剛がどうなっても知らんぞ!」

「ほらほら!もっと絞めるぞ!」

「いいか!剛が落ちたら、お前が近づいたからだぞ!」

「この、ド田舎の奈良の、アホガキ!」

すでに、理屈にはなっていないけれど、篠山は開き直ってしまったのだろうか。

学園長や、柔道部顧問、空手部顧問がいても、全くその言動を控えない。


クラスメイトからは、またヒソヒソ声。

「そういえば、篠山君のお父さんはPTAで役を持っていて、区議会議員」

「そもそもが、建設業というか、道路建設中心の土建屋さん」

「働いている人たちも、どちらかと言えば、ガラが悪い人が多い」

「トラックの運転も荒っぽい」

「そう、私も普通に歩いていて、どけどけーって、怒鳴られた」

「怖いよね、あの土建屋。でもPTAだし区議会議員だから何も言えない」

・・・・

篠山には、直接関係しないかもしれないけれど、その父と経営する土建屋まで評判も悪いようだ。


華音は、すでに何も話すことはない。

ただ、スタスタと歩き、篠山と剛の目前に立ってしまった。


結局、華音が歩いてくるのを止められなかった篠山は、ますます機嫌が悪くなるけれど、華音は真っ直ぐに見つめてくるだけ。

篠山は、仕方なく、華音の目を見返すことになる。


華音は、その篠山に声をかけた。

「篠山さん、いつまで、こんなことをしているんですか?」

「本当に、こんなに多くの他人に迷惑をかけ、何が楽しいのですか?」

「人の苦しむ姿を見て、しかもだまし討ちをして、何が楽しいのですか?」

華音の目は、本当に厳しく篠山を見据えている。

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