こんなにも辛い世界なら今すぐにでも帰りたい
ふと思う。
俺はこんなにも我慢強い人間だったかと。人間とはこれほどまでに我慢強い生き物だったのかと。
わかってる、これは逃避だ。逃げ場のない現状からのせめてもの抵抗だ。
額に滲む程度だった小粒の汗はいつの間にか五月雨のように頬を伝い、或いは鼻梁を伝い、顎の先からとめどなく雨粒をしたたらせ続けている。
力の限り声を挙げたかった。意味のない言葉でいい、叫びたかった。ただ、俺はこんなにも苦しいのだということを誰かに理解して欲しい。
全身を駆け巡るほとばしるような熱い衝動を。
――この辛さを。
――この苦い思いを。
わけもわからず異世界に連れて来られてはや一月。
赤色以外の料理を作れる料理人がいたら聖剣でもなんでも差し上げます。
どうか、誰か俺に甘い物をください。
激辛の担々麺を食べて死ぬほど苦しい思いをしたので、怒りに任せて書いてみました。
あらすじより
暴君…ハバネロ
魔王…ブートジョロキア
死神…キャロライナ・リーパー
ドラゴン…ドラゴンブレス・チリ
全て唐辛子の名前であり、ギネス記録を更新した順で登場。
現在はドラゴンブレス・チリもペッパーXに抜かれました。
ペッパーXはそのまま食べると死ぬとされるほどの辛さの値(スコヴィル値)を誇ります。
その唐辛子を利用したソースはその名も「最後の一撃」
味覚が辛さを認識できないほど辛いらしいです。